2004 Fiscal Year Annual Research Report
セミパラチンスク核実験場近郊住民を対象とした疫学データベースの構築と健康影響調査
Project/Area Number |
16510054
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Research Institution | Radiation Effects Research Foundation |
Principal Investigator |
片山 博昭 財団法人放射線影響研究所, 情報技術部, 部長(研究員) (20360852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
星 正治 広島大学, 原爆放射線医科学研究所・国際放射線情報センター, 教授 (50099090)
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Keywords | セミパラチンスク / 低線量被爆 / 放射線 |
Research Abstract |
本研究の目的は、現在カザフスタン共和国保健省放射線医学環境研究所(以下、研究所)と共同で進めている疫学解析用データベースの構築を行ない、低線量被爆の核実験場周辺住民の健康影響を調査することである。 研究所は、1957年に放射線被曝による健康影響調査のため第4診療所として旧ソ連保健省により設立され、以来、セミパラチンスク州における住民に関する様々なデータを収集し、研究を行ってきた。しかし、これまでの研究の元になった殆どのデータは統一的管理がなされておらず、十分に電子化されてもいない。その為、今後詳細な疫学的解析を進めていくには、データによる資料の一元管理および解析用データベースの構築が不可欠であり、2002年夏よりデータベース構築に向けて取り組んできた。これまでの経過は次のとおりである。 (1)2003年3月、6月には研究所のプログラマーの研修を放影研で行ないデータベースの管理を担当することとした。入力用アプリケーションは日本側にて作成し提供した。データベース自体は、将来的に東カザフスタン州の居住者全てを含むことを想定して設計した。ハードウエアは、性能、拡張性、保守、複数のクライアントからの入力や検索が容易にできることを考慮して選定した。(2)2003年7月には放影研の技術者と共に現地にて、データベースサーバーの設置、入力作業に用いるPCの設定を行った。(3)2003年9月末までに、個人情報が約49,000件、死亡情報が約33,000件入力され、2005年1月末で、個人情報約11万件、死亡情報4万9千件が入力された。(4)JICAと共同で行なっている健康診断のデータ及び研究所が独自で行なっている線量推定のための各種データのデータベースへの入力が始まった。今後は各年度でばらつきのある死亡情報について、国による統計資料と照合しながら出来る限り欠落している情報を収集する。
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