2005 Fiscal Year Annual Research Report
ライフサイクルアセスメントに基づく鉛フリー銅合金生産システムの構築
Project/Area Number |
16510063
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
末吉 秀一 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (70041548)
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Keywords | 鉛フリー銅合金 / 切削性 / ライフサイクルアセスメント / エコマテリアル |
Research Abstract |
平成17年度は、まず、化合物法を用いて銅合金スクラップから鉛を除去する技術についてまとめた。これらの結果はシンガポールで開催されたエコマテリアル国際会議で発表した。 従来、鉛は切削性を改善する目的で銅合金に添加されていた。したがって、鉛フリー化を達成できたとしても、その合金の切削性が悪ければ実用的には使えない。これまでに開発された鉛フリー銅合金には、快削成分としてビスマス、セレン等の特殊元素が添加されている。これらの元素は希少金属であり、地球環境への負荷の増大、資源の枯渇、カスケードリサイクルの原因となるトランプエレメントの増加など、多くの問題を抱えている。そこでこれらに替わる新しい快削成分について検討を行った。青銅に種々の快削成分を添加し、二次元切削を行い、切屑処理性、切削抵抗、切屑/工具接触面の摩擦係数、切屑せん断角を求め、それらの結果を基に切削性を評価した。その結果、これまで用いられてきた含鉛青銅や含ビスマス青銅と同等の切削性を有する新しい快削青銅の開発に成功した。現在、特許として出願(出願人は鹿児島大学)するための準備を進めている。 含鉛銅合金スクラップから鉛を除去してリサイクルする新しい鉛フリー銅合金生産システムが、バージン材を用いる従来の鉛フリー銅合金生産システムに比べてライフサイクルアセスメント(LCA)の観点から優れているか否かを検証するため、鋳造過程についてインベントリ分析を行った。その結果、新しい生産システムの方がLCAの観点からも優れていることが明らかになった。これらの結果はシンガポールで開催されたエコマテリアル国際会議で発表した。
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Research Products
(5 results)