2004 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄ガラス/廃液フッ化水素からのガラスリサイクルと金属元素分離メカニズム
Project/Area Number |
16510066
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Research Institution | Shibaura Institute of Technology |
Principal Investigator |
本間 哲哉 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (60286698)
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Keywords | シリカ系ガラス材料 / リサイクル / フッ素添加酸化(SiOF) / ブラウン管(CRT) / 液相成長(LPD)法 / 電気分解 / 蛍光材料 |
Research Abstract |
本研究は、液相成長(Liquid Phase Deposition, LPD)法により金属酸化物が含まれるシリカ系ガラス材料から金属元素を除去し、シリカガラスリサイクルと金属元素の回収を目的としている。LPD法は、低温(〜40℃)プロセスであり、その化学反応は、 H_2SiF_6+2H_2O⇔SiO_2+6HF ・・・(1) 6HF+Al⇒H_3AlF_6+(3/2)H_2 ・・・(2) で表せる。H_2SiF_6水溶液にアルミニウム(Al)を添加してHFを消費させ、過飽和状態のH_2SiF_6水溶液から微量のフッ素を含むSiO_2(SiOF)が析出する。 LPD法でリサイクルしたフッ素添加酸化シリコン(LPD-SiOF)薄膜は、その残留金属元素濃度を溶液中濃度の3〜5桁低減可能であることが判明した。また、フッ化水素酸(HF)水溶液ブラウン管(CRT)ガラス材料成分である金属酸化物との反応性,金属元素分離性能を評価した結果、(1)Na_2O, Fe_2O_3,Ga_2O_3,Sb_2O_3は溶解し、金属イオン化して溶液中に残留すること、(2)Al_2O_3,Cr_2O_3は不溶であること、(3)BaO, CaO, MgO, PbO, SrOはフッ化物として析出すること、(4)ZrO_2はZrF_2に変化し錯イオン化して溶解すること、(5)電気分解法でアンチモン(Sb)が-0.35V,鉄(Fe)が-0.64Vで析出すること、等が判明し、金属種別の分離・回収の可能性が高いことがわかった。さらに、CRTガラス材料成分と同組成のシリカ系ガラス材料を用いてLPD-SiOF薄膜を作製し、半導体用H_2SiF_6水溶液から形成した高純度LPD-SiOF薄膜と同等の特性を有することが判明した。今後、分離・回収した金属元素の応用、CRT用蛍光材料の分離・回収の検討を行っていく。
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Research Products
(3 results)