2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16510083
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
水谷 五郎 Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 教授 (30183958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 陽之 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 助教 (80250843)
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Keywords | ナノワイヤ / 光第二高調波発生 / 白金 / 銅 / NaCl / ナノドット / プラズモン / 避雷針効果 |
Research Abstract |
本年は,NaCl(110)ファセット面上のCuのナノワイヤおよびCuとPtよりなる二種類の金属より成るナノワイヤについて,詳しく非線形効果を調べた。 1)昨年度回転角依存性を調べたNaCl(110)ファセット面上のアモルファスSiOに保護された太さが14nmから19nmのCuのナノワイヤ列および直径が10nmのナノドットについて,光第二高調波応答の励起光子エネルギー依存性を調べた。ナノワイヤからの光第二高調波強度は二光子エネルギーが3eVから高エネルギー側に緩やかに上昇することがわかったが,ワイヤの太さによる顕著な違いは観測されなかった。一方,ナノドットの光第二高調波強度は二光子エネルギーが4eVのあたりから急激に上昇することが観測された。この結果は現象論的な反電場因子qに,微粒子の楕円体形状の補正および自然発光による緩和の効果を考慮することにより説明できることがわかった。 2)Cuのナノワイヤの非線形感受率成分X^<(2)>_<311>,X^<(2)>_<222>,X^<(2)>_<323>が大きいことが昨年わかったが,この理由を調べるために,正方形,円形,三角形の断面のCu金属ワイヤー4本からなる系に外部光が入射したときの周囲の電場をFTDT法により計算した。その結果ワイヤ列と垂直方向(3方向)には微粒子局所プラズモンの励起による電場の増強が非線形感受率の増強に寄与していることがわかった。またワイヤ列面内のワイヤ軸と平行な方向には,ワイヤの尖った部分での電場増強による「避雷針効果」により非線形感受率の増強が起こっていることがわかった。 3)Cuのナノワイヤを制作するのと同様な方法で,CuとPtを連続的に蒸着したナノワイヤを作成し,2つの金属の蒸着の間にSiO層を挿入した試料と,光第二高調波応答を比較した。その結果前者の試料から強くそして異方性の強い光第二高調波応答が得られ,2種類の金属より成るナノワイヤの界面の効果であると推測された。
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Research Products
(1 results)