2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16510086
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
吉田 絵里 豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (60263175)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 十志和 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40179445)
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Keywords | 非両親媒性"高分子 / ミセル形成 / 超微粒子 / ナノ染料分子 / ナノ粒子化 / 紫外線吸収剤 / 高耐光性ナノ染料 |
Research Abstract |
本研究の最終年度である本年度は、分子中に染料や紫外線吸収剤や記憶貯蔵物質などの機能団を有する非両親媒性高分子を合成し、昨年度までに確立した非両親媒性高分子のミセル形成法の結果に基づいて、この機能性高分子のミセル化を行うとともに、機能団の超微粒子化を検討した。さらに、その超微粒子の機能評価を行った。 具体的な検討事項は以下のとおりである。 (1)機能団を有する非両親媒性高分子の合成を行った。 (2)非両親媒性高分子のミセル形成による機能団の超微粒子化を図った。 (3)機能団の導入位置と超微粒子のサイズおよび会合数との関係を検討した。 (4)染料ナノ粒子の耐光性の評価を行った。 (1)では、非両親媒性ジブロック共重合体を形成する2つのセグメントの一方あるいは両方に、染料分子や紫外線吸収剤などの機能団を導入した。導入率は、いずれも1-2%とした。ジブロック共重合体への機能団の導入の確認には、核磁気共鳴測定装置を用いて行った。(2)では、これらの機能団を有する非両親媒性ジブロック共重合体についてミセル形成を行った結果、数十ナノメートルの球状超微粒子が生成したことが、ヘリウムネオンレーザーを用いる光散乱測定法により明らかになった。また(3)では、ブロック共重合体中の機能団の導入位置とミセルの大きさや会合数との関係を検討した結果、ブロック共重合体の分子量が等しくても、ミセルの外殻に機能団が存在する微粒子は、ミセル内部の核に存在するそれよりもミセルサイズが大きくなることがわかった。また、ミセルの会合数は、機能団の導入位置に関わらず、ブロック共重合体の分子量の増加とともに減少した。さらに、ミセルの核に染料分子が導入された微粒子について、JIS規格の耐光性試験機用いて耐光試験を行った結果、ミセルの外殻に紫外線吸収剤が存在する微粒子では、存在しない微粒子に比べ、退色度が非常に低く抑えられ、耐光性の極めて優れたナノ染料分子であることがわかった。以上のことから、紫外線吸収剤や染料分子やのナノ粒子化を図ることができたとともに、高耐光性の染料ナノ分子の合成にも成功した。
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Research Products
(5 results)