2004 Fiscal Year Annual Research Report
バクテリアセルロースを用いた疎水性セルロース膜および高機能性無機複合材料の開発
Project/Area Number |
16510094
|
Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
山本 裕之 福井工業高等専門学校, 一般科目教室, 教授 (00158304)
|
Keywords | バクテリアセルロース / 硫酸加水分解 / セルロースナノファイバー / ボールミル粉砕処理 / 粉末X線回折 / 複合材料 / 疎水性セルロース膜 |
Research Abstract |
酸加水分解により得られるナノオーダーレベルのバクテリアセルロースファイバーは容易に苛性ソーダに溶解する。そこで、超微細繊維であるバクテリアセルロースの酸加水分解や機械的処理により得られるセルロースナノファイバーを用いて、疎水性のセルロース膜および高機能性無機化合物との複合化による新規な材料を開発することが目的である。 今回、ナノサイズに近い一定の長さに調整するため、硫酸による酸加水分解の方法とミルを用いた機械的方法により行った。硫酸加水分解処理については、これまでに明らかにした酸加水分解温度(50℃-100℃)、処理時間、硫酸濃度(40%-60%)の実験条件を用い、これらの因子とバクテリアセルロースの分子量、繊維長、結晶サイズとの関係について検討した。機械的粉砕処理については処理条件についてまず検討した。 硫酸加水分解は80℃、50%硫酸水溶液中、処理時間を1時間から12時間と変えて、行った。得られたミクロクリスタルについて、粉末X線回折を行い、Scherrerの式より結晶サイズを計算した。ボールミル粉砕処理は450rpmで10分粉砕、10分停止を繰り返し、2時間から8時間行った。 (200)面、(110)面の結晶サイズはこの条件下の硫酸処理ではほとんど減少しない。これに対して、(110)面の結晶サイズは2割程度減少することが明らかとなった。これは面間で形成されている水素結合と大きく関係しているためと考えられる。一方、ボールミル粉砕処理では使用しているメノウ容器の微粉末が大量に混入することがわかった。セルロースと分離する方法を確立させるか、粉砕処理容器を変えることが必要である。
|