2004 Fiscal Year Annual Research Report
Siの空乏層における歪効果と不活性水素のホットキャリアによる解離効果の研究
Project/Area Number |
16510099
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
松田 和典 鳴門教育大学, 学校教育学部, 准教授 (10192337)
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Keywords | シリコンデバイス / 歪効果 / ピエゾキャパシタンス効果 / ピエゾ抵抗効果 / 状態密度 |
Research Abstract |
Siの空乏層キャパシタンスについては,室温のMOSキャパシタにおいて結晶歪みを付加することにより量子効果が大きく現れることを本研究代表者(松田)が発見したオリジナル研究であり,「ピエゾキャパシタンス効果」と呼ばれている。 この効果は結晶歪みによって縮退が解けることによってバンド端の状態密度が急激に変化することにともない真性フェルミ準位が急激に変化することに起因していることが分かっている。しかし,従来のデバイスシミュレータにおいて室温のピエゾ抵抗効果のモデルに使われているBir & Pikus理論の大歪み近似では,Heavy HoleバンドとLight Holeバンドの状態密度は同程度になるためピエゾキャパシタンス効果の説明に矛盾が生じる。大歪み近似はサイクロトロン共鳴実験の理論解析に使われていた低温で有効な近似であるので,この近似によって結晶歪み効果を説明することに矛盾があり,現在のシミュレーションモデルに使われていることは問題である。この問題は,Kleiman (Phys.Rev.B57,1996)によっても指摘されている。 そこで,従来のモデルを他方の近似である高温近似によって改善することを提案した。この新しいモデルによればピエゾ抵抗効果は,有効質量の結晶方向依存性によって説明でき,実験値をよく再現できることをICPSで発表した。また,両近似を比較すると,有効質量の結晶方向依存性と有効質量状態密度の結果がまったく異なり,ピエゾキャパシタンス効果やピエゾ抵抗効果は高温近似で説明できることをJCEに発表した。また,真性フェルミ順位の変化がフォトダイオードの光電流効率などに影響することをIMFEDにおいて説明した。
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Research Products
(3 results)