2005 Fiscal Year Annual Research Report
動的ゲームアプローチによる情報通信産業における事業戦略に関する研究
Project/Area Number |
16510101
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
徐 ふぁ 筑波大学, 大学院・ビジネス科学研究科, 教授 (40253025)
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Keywords | グループゲーム / 企業グループ / 動的ゲーム / ナッシュ均衡 / アルゴリズム |
Research Abstract |
平成17年度では、情報通信産業における動的競争を研究するため、グループゲームの概念を考案した。すなわち、市場競争はたんなる二つの企業グループの親会社間の競争ではなく、各地域に散在する支社や子会社を巻き込んだ企業グループ間の競争となる。各企業グループにはそれぞれ企業全体の目標がある。しかしながら、各地域にある支社や子会社はグループ全体の目標を考えながら、地域ごとに部分的な目標のために競争を行なう。われわれはこのような競争をグループゲームと定義した。新しい概念の応用として、ゲーム研究にもっとも基本的なゼロ和ゲームを試した。グループゲームを記述するために、異なった時間尺度をもつ多パラメータの特異摂動システムモデルを用いた。Near Saddle Point Equilibriumに導く近似的な戦略を求める方法を提案した。 一方、基礎研究では、動的ゲーム問題を解決するための数値計算アルゴリズムについて研究してきた。具体的には、多パラメータの特異摂動システムにおける(1)ナッシュゲームに関する均衡解を求めるアルゴリズム、(2)協力ゲームに関するパレート解を求めるアルゴリズムを研究した。これらの問題を解決するには、さまざまな形をもつ大規模、連立Riccati方程式やLyapunov方程式を解かなければならない。本研究では、これらの方程式の解の漸近構造を従来と異なる方法、すなわち陰関数定理によって明らかにした。導出された解の構造式を利用してアルゴリズムの初期値を設定し、ニュートン法による求解アルゴリズムを開発した。ニュートン法を適用することで2次収束が保証されるため、再帰的アルゴリズムと比較して収束速度が劇的に改ざんされることが分かった。
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Research Products
(5 results)