2004 Fiscal Year Annual Research Report
医療・介護の質を守るためのスタッフスケジューリングの研究
Project/Area Number |
16510120
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
池上 敦子 成蹊大学, 工学部, 助手 (90146936)
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Keywords | スタッフスケジューリング / 訪問介護 / モデル化 / ナース・スケジューリング / 医師当直表作成問題 / 勤務表作成支援システム / Subpr0blem-centric approach |
Research Abstract |
これまでおこなってきたナース・スケジューリングの研究をベースに,医療,介護業務の中に存在するスタッフスケジューリング問題の明確化とモデル化をおこなうため,本年度は大きく,(1)訪問介護におけるヘルパーの勤務表作成問題,(2)医師当直表作成問題,そして(3)ナース・スケジューリングに分けて研究を進めた. (1)2004年9月に(社福)至誠学舎立川至誠ホームにおいて,勤務表作成作業の調査(ビデオ撮影とインタビュー)をおこなった.その結果,勤務表作成に必要な情報(書類情報:利用者のサービス日時・内容,ヘルパー勤務可能日時,担当ヘルパー表,そして,スケジューラの頭に入っている情報:移動距離や相性,ヘルパー間の割付優先順位等)が明らかになった.また,市販ソフトを利用した入力作業や毎日のスケジュール作成に膨大な時間(入力作業に8時間48分,スケジュール作成に10時間以上)を費やしていることがわかった.これに対し,実際に考慮している情報や制約条件を取り込み,それらを考慮できる支援システムの構築を目指し,本年度はその第1段階として,各日個別にスケジュール作成ができるシステムをエクセル上(VBA)で実現した.2004年12月,同ホームにおいて,構築したシステムを利用して実際の勤務表(2005年1月分)を作成してもらった結果,すべての情報や制約の入力を行った後,これらの条件を試行錯誤的に変更しながらも各日のスケジュール作成を非常に効率良くおこなうことに成功した(入力に60分,スケジュール作成に20分弱).このシステムを利用することにより,現場での徹夜作業や残業がなくなったとの報告を受けた.このシステムのスケジューリングのアルゴリズムはナース・スケジューリングで利用したSubproblem-centric approachに基づいている.(2)ナース・スケジューリング用のアルゴリズムで医師当直表作成支援システムを構築・評価をおこなった.(3)ナース・スケジューリングとその他のスタッフ・スケジューリングについての比較を行い整理した.また,ナース・スケジューリング支援システム構築のためのインタフェースの検討・構築をスタートした.
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Research Products
(6 results)