2005 Fiscal Year Annual Research Report
固定資産宅地評価の統計的解析とその応用に関する研究
Project/Area Number |
16510128
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Research Institution | Nanzan University |
Principal Investigator |
尾崎 俊治 南山大学, 数理情報学部, 教授 (10034399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伏見 正則 南山大学, 数理情報学部, 教授 (70008639)
鈴木 敦夫 南山大学, 数理情報学部, 教授 (70162922)
土肥 正 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00243600)
岡村 寛之 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10311812)
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Keywords | 固定資産税路線価式評価法 / 土地価格形成要因 / 土地価格推定 / 重回帰分析 / 欠損値データ / 主要因分析 / データベース / Webアプリケーション |
Research Abstract |
平成17年度も引き続き,固定資産宅地評価における統計モデルの構築および評価システムの構築を行った.特に,前年度に行った実績を引き継ぎ,モデリングにおける点では(i)欠損データの取り扱い,(ii)土地価格形成要因間の分析を行った.また,システム開発ではWebベースのアプリケーションとして再構築を行った. 具体的な成果は以下の通りである. 1.欠損データの取り扱い:固定資産路線価式宅地評価における現実的な問題として,標準地として選定された土地と,その他路線として統計モデルから価格が決定づけられる土地の価格形成要因を比較した場合,標準地として選定されたすべての土地が必ずしもすべての価格形成要因を備えているとは限らない,つまり欠損データからの推定が必要であった.これに対して,従来から重回帰分析では欠損値に対して他の関連要因からの平均によるあてはめが行われている.この手法は誤差分布を正規分布とする重回帰分析には良好な結果を与えるが,ここではCox回帰分析モデルにも適用可能な手法としてEMアルゴリズムによる手法を適用した. 2.土地価格形成要因間の分析:一般的にこれまでの固定資産宅地評価では価格と要因に対する直接的な因果関係のみに着目した分析が行われてきた.しかしながら,昨今の市町村合併などにともなって,形成要因が形成要因へ与える影響を調査し,土地の価格変動も考慮した都市計画を行う要件が増えてきている.そのため,ここでは土地価格形成要因間の分析を行った.具体的には多変量解析の一部である主要因分析を行い,各土地の特徴を抽出する手法の確立を行った. 3.Webアプリケーションの開発:前年度に開発した表計算ソフト上で動作するツールは,日常業務で利用している操作体系をそのまま利用できる点で優れたツールであるが,データの保全性と機密性が低くなる欠点があった.そこで,土地形成要因や評価額のデータを一元管理する目的でリレーショナルデータベースソフトMySQLを用いたDBを開発した.また,JavaによるサーブレットとJSPを利用したWebアプリケーションを作成し,クライアント側から通常のWebブラウザを用いて,統計分析が可能となった.これによって,自治体が納税者へ説明する際の事務処理の簡素化,および現地調査から不動産評価へのすばやいフィードバックが可能となった.
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Research Products
(5 results)