2004 Fiscal Year Annual Research Report
霊長類を中心とした哺乳類における染色体3次元核内配置からみたゲノム構造と進化機構
Project/Area Number |
16510143
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
田辺 秀之 国立大学法人総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教授 (50261178)
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Keywords | 染色体 / 核内配置 / 霊長類 / 染色体テリトリ / FISH法 / ゲノム進化 / 培養細胞 / 3D-FISH法 |
Research Abstract |
本研究の全体計画としては、霊長類を含む哺乳類細胞株の収集、細胞培養、染色体標本の調整、2D-FISH法によるメタフェイズ(分裂中期像)解析、3D-FISH法による染色体3次元核内配置解析、比較ゲノム解析、全体の統括という流れとなる。今年度は、各種霊長類の細胞収集と細胞培養、染色体標本の調整とそのメタフェイズ解析、細胞核標本と3D-FISH法の条件検討について、以下の合計10種の霊長類サンプルの末梢血リンパ球を用いて行った。チンパンジー、アジルテナガザル、ニホンザル、ミドリザル、マントヒヒ、コモンリスザル、ワタボウシタマリン、フサオマキザル、ケナガクモザル、ヨザル。これらの各種霊長類の血液サンプルは、京都大学霊長類研究所の共同利用研究により供与していただいた。また、テナガザル4種(シロテテナガザル、クロステナガザル、ワウワウテナガザル、シアマン)の培養細胞株も合わせてサンプル調整を行った。核型分析と2D-FISH法によるメタフェイズ染色体解析の結果、これらのサンプルは正常核型を保持していることが確認できた。次に3D-FISH法に用いる標本として、3次元核構造を維持させた固定法を確立し、上記の全てのサンプルについて各種10〜20枚のスライド細胞核標本の作製を完了した。霊長類各種における3D-FISH法の実験条件の検討を行うために、ヒト18番および19番染色体ペインティングプローブを用いて蛍光シグナルの検出条件等の確立を行った。その結果、新世界ザルに対してはヒト染色体プローブではなく、より近縁種のものを使用する必要があることが判明した。現在、チンパンジー、テナガザル、旧世界ザルにおけるヒト2番染色体の生成機構について、2番染色体短腕および長腕特異的ホモロガス染色体領域を用いた3D-FISH法により、転座染色体の由来が種分化に伴う相対核内配置の変化と関連するかどうかを検討中である。
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Research Products
(2 results)