2005 Fiscal Year Annual Research Report
酵母を用いた微小管機能制御因子の網羅的遺伝子相互作用解析
Project/Area Number |
16510145
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中世古 幸信 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (30231468)
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Keywords | 突然変異株 / ライブラリー / 微小管 / 網羅的解析 / 細胞周期 / 細胞増殖 / 制御因子 / サプレッサー解析 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、1000株からなる分裂酵母の高温感受性株ライブラリー中の変異株に対して、特定の遺伝子を形質転換により導入し、機能的に相互作用する遺伝子の網羅的な同定ならびにその解析を継続した。解析の中心となる遺伝子はDis1ならびにMtc1である。これら両遺伝子は微小管結合活性を持ち、分裂酵母の微小管機能を制御する遺伝子である。とりわけDis1は動原体微小管と動原体の結合に必須であり、その欠損は有糸分裂の停止を引き起こす。昨年のスクリーニングによりDis1と機能的相互作用を示す因子として2つの細胞周期制御遺伝子を同定した。1つは染色体凝縮に必須なコンデンシンサブユニットCut14、もう1つはDNA複製開始に必要なMCMサブユニットMis5であった。Mtc1についても同様にCut14,Mis5が同定されたため、これらの微小管機能制御因子とコンデンシン、あるいはMCM複合体との機能的連関は生物学的に意味のあるものと考えられる。本年度Cut14について解析を進めた結果、少なくとも2種の遺伝的相互作用を示す遺伝子の存在が新たに確認され、現在原因遺伝子を特定するためサブクローン化を進めている。この候補となる遺伝子を含むDNA断片はいずれもCut14の温度感受性を抑圧し、さらにこのDNA断片上にはこれまでコンデンシンとの機能的連関が報告されている遺伝子が存在しないことから新規の相互作用が見いだされたと考えられる。これらの遺伝子はCut14のコンデンシンサブユニットにおける機能のみならず微小管機能とコンデンシンのつながりを解明する重要な情報をもたらすと期待される。
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