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2005 Fiscal Year Annual Research Report

「ジスルフィドプロテオーム」による植物レドックス制御の包括的な解析

Research Project

Project/Area Number 16510151
Research Institution独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構

Principal Investigator

矢野 裕之  独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構, 作物研究所・稲研究部, 主任研究官 (20355580)

Keywordsチオレドキシン / レドックス / ジスルフィドプロテオーム / イネ / 発芽
Research Abstract

昨年度は、(NADPHとチオレドキシン活性化酵素によりイネ種子糠層に存在する内在性チオレドキシンを活性化することで、)イネ種子発芽において還元酵素チオレドキシンが糠層のシステインプロテアーゼを活性化し、同時にその基質である胚特異的蛋白質(ESP)をアンフォールドして消化しやすい構造に変化させることを示唆するデータを得た。本年度は、大腸菌リコンビナントチオレドキシンを用いて同じ反応が起こるか確認した。また、ESPをアンフォールドの状態で固定し、糠抽出物に加えて反応状態を観察することで、システインプロテアーゼがチオレドキシン依存的に活性化されるか調べた。リコンビナントチオレドキシンを糠抽出液に添加したところ、内在性チオレドキシンを活性化した場合や、糠をジベレリンとCaCl2存在下で浸水した際と同様に、ESPが消化された。また、ロイペプチン(システインプロテアーゼ阻害剤)存在下では消化が阻害されるとともにESPが還元(アンフォールド)型として同定された。アンフォールドされたESPは、糠抽出液内で安定であるが、内在性チオレドキシンを活性化させると分解され、ロイペプチン存在下では分解されなかった。チオレドキシンは発芽のこの後の段階で他の貯蔵蛋白質を消化するセリンプロテアーゼを活性化することが報告されている。以上のことから昨年度の研究結果と併せ、チオレドキシンはイネ種子の発芽の際に基質が異なる複数のプロテアーゼを段階的に活性化することで種子発芽時に蛋白質分解のファインチューニングを行うととが示唆された。本研究により、新しい発芽生理機構が明らかになった。また酵素Dienelactone hydrolase(DLH)をチオレドキシンの新しいターゲットとして同定し、基質誘導活性化型のバクテリアと高等植物では本酵素の活性化機構が異なることを明らかにした。昨年度投稿したProteomics誌(IP=5.5)に上記の研究結果を合わせ再投稿し、受理された。

  • Research Products

    (3 results)

All 2006 2005

All Journal Article (3 results)

  • [Journal Article] Disulfide proteome yields a detailed understanding of redox regulations : a model study of thioredoxin-linked reactions in seed germination.2006

    • Author(s)
      矢野 裕之
    • Journal Title

      Proteomics 6(1)

      Pages: 294-300

  • [Journal Article] レドックス制御を包括的に解析できるジスルフィドプロテオーム-ポストゲノム研究の有効なツール:原理と応用-2005

    • Author(s)
      矢野 裕之
    • Journal Title

      BRAIN 111

      Pages: 23-26

  • [Journal Article] The disulfide proteome of plants2005

    • Author(s)
      矢野 裕之
    • Journal Title

      Trends in protein research(Nova Science Publishers)

      Pages: 183-199

URL: 

Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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