2005 Fiscal Year Annual Research Report
立体配置未定生物活性天然ポリエーテルマクロライド類の絶対立体配置解明と全合成
Project/Area Number |
16510152
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
藤原 憲秀 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20222268)
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Keywords | ゴニオドミンA / カリベノライドI / 全合成研究 / ポリエーテルマクロライド / 立体構造決定 / アクチン作用性物質 / 殺癌細胞活性 / 大環状アナログ |
Research Abstract |
生物活性天然物の活性本質の解明や医薬農薬開発への応用展開にとって、立体化学は必要不可欠な情報である。本研究では、構造未定の大環状ポリエーテルマクロライド天然物を対象として、合成アナログと天然物のスペクトルデータの比較を通じて大環状化合物全体の立体構造を推定する方法論の開発と、全合成による物質供給を目的に研究を企画した。平成17年度は、アクチン作用性ポリエーテルマクロライドのゴニオドミンAの全相対配置及び絶対配置決定ならびに全合成に向けて次の結果を得た。(1)昨年度疑問が残ったC6〜C16の立体化学について、C9位のエピマーを合成して詳細にNMRを検討したところ、天然物ではC9位のメチル基が当初推定の立体配置でありアキシアルの立体配座をとることが強く示唆される結果を得た。(2)既に確立したC1〜C7、C6〜C16、C15〜C25、C31〜C36部の合成法を基に、C1〜C16、C6〜C25の合成を検討し、天然物の立体配置として可能性のある幾つかのジアステレオマーを合成した。(3)合成したC1〜C16の部分構造のNMR解析の結果、天然物のC6-C7部の相対配置を推定することが出来た。現在、C15-C16部の相対配置の解明を検討しており、さらにゴニオドミンAで得られた合成知見をカリベノライドIに適用を検討している。以上、本申請課題の遂行により、立体構造未定のポリエーテルマクロライドのゴニオドミンAのポリエーテル部の大部分の相対配置を推定することが出来た。その実証のための合成法も、確立にむけて大きく前進させることが出来た。絶対配置の解明と全合成にむけて更なる検討を続けて行きたい。
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Research Products
(6 results)