2004 Fiscal Year Annual Research Report
実時間複製反応モニタリングによる小型並列高速DNAシーケンサーの開発
Project/Area Number |
16510155
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
伏見 譲 埼玉大学, 工学部, 教授 (80011641)
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Keywords | DNAシーケンシング / ISFET / pHモニター / DNA複製反応 / 表面反応 / 進化リアクター |
Research Abstract |
進化分子工学実験から生ずる多種の変異体のDNAシーケンシングや、SNP解析のためのDNAシーケンシングは配列がほとんど同じものの少しの違いを多量の試料に対して行う必要がある。以前から提案しているDNA複製反応を実時間で電気化学的にモニターすることによって配列を決定する並列高速シーケンサーはこの要求にマッチしている。その基本原理は、DNA複製反応が1塩基伸長に伴い、平均0.3個のプロトンが吸収されること(at pH7)に基づく。次のような段階でその実用化を検討した。(1)固定化タグ配列の安定性と、その相補タグ配列を持つ未知配列DNAのハイブリダイゼーションの効率の向上を次の2つの方法でモニターしながら検討した。(1)固定化タグDNAと未知配列DNAを異なる色の蛍光ラベルによりモニターする。(2)SPRのセンサーグラム。1回の洗い工程で非特異的咳着DNAは除去できるが、洗い工程毎にハイブリダイゼーション効率が減少することがわかった。固定化DNAをヘアピンループ中央のチオUを介して固定化することにより、ハイブリダイゼーションにスタッキングの有利性とスペーサー長を導入した場合、若干の効率向上が認められた。界面活性剤の利用は顕著な効率向上を与えることを確認した。理論検出限界を超えるハイブリダイゼーション量を達成している。(2)1対の差動型ISFETを薄型フローセルに固定化した装置を新たに製作し、セルフプライミングDNAの20塩基長の伸長に伴うpH変化を観測したが、反応速度が見かけ上遅い。これはMicrofludics技術の未熟さに起因する液間界面の平坦化に起因するようである。1塩基長伸長観測にはSPRを利用するなどして見かけの反応速度を向上させる必要がある。
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Research Products
(6 results)