2004 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮細胞を標的とする新規抗がんリード化合物の創製
Project/Area Number |
16510159
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
青木 俊二 大阪大学, 薬学研究科, 講師 (60252699)
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Keywords | 血管新生阻害物質 / bastadin類 / 選択的増殖抑制 / ブロモチロシン誘導体 / 抗腫瘍活性 |
Research Abstract |
1)ヒト齊帯静脈内皮細胞(HUVEC)とヒト咽頭上皮がん細胞(KB)やヒト慢性骨髄性白血病細胞(K562)など数種の由来の異なるがん細胞を用いて増殖抑制試験を行い、HUVECに対して選択的に増殖抑制効果を示す化合物の探索法を用いて、海綿を中心とする海洋生物の抽出エキスライブラリーから新規血管新生阻害物質を探索し、活性物質としてブロモチロシン誘導体bastadin類を単離した。HUVECと由来の異なる数種のがん細胞や正常線維芽細胞を用いてbastadin類の作用を検討した結果、bastadin類は他の細胞と比較してHUVECに対して20〜100倍強い選択的増殖抑制効果を示した。一方、天然から単離した種々のbastadin類縁体や合成した各種誘導体をの活性を比較しbastadin類の構造活性相関を検討した結果、血管新生阻害活性をの大環状構造は活性に必須であり、エーテル架橋構造の様式も活性発現に重要であることが明らかになった。また、分子内の臭素原子置換様式も活性発現に重要であることが明らかになった。さらに、bastadin類のin vitroでの血管新生阻害活性を検討した結果、bastadin類は、血管内皮増殖因子(VEGF)や繊維芽細胞増殖因子(b-FGF)によって誘導されるHUVECの遊走や管腔形成を阻害することが明らかになった。 2)上記のHUVECに対して選択的に増殖抑制効果を示す化合物の探索法や血管新生阻害活性の評価法であるケモタキシスチャンバーを用いたHUVECの遊走阻害実験系を用いて、海洋生物の抽出エキスライブラリーからさらに活性物質のスクリーニングを行い、HUVECに対して選択的に増殖抑制効果を示す新たな化合物を単離することができた。
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Research Products
(6 results)