2004 Fiscal Year Annual Research Report
植物二次代謝産物の分子多様性を創出するIII型ポリケタイド合成酵素の構造機能解析
Project/Area Number |
16510164
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
阿部 郁朗 静岡県立大学, 薬学部, 講師 (40305496)
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Keywords | 植物ポリケタイド合成酵素 / カルコン合成酵素 / III型ポリケタイド合成酵素 / 構造機能解析 / 酵素機能改変 / 二次代謝 / 生理活性物質 / 非天然型天然物 |
Research Abstract |
薬用植物ダイオウとアロエは、クロモンやナフタレン誘導体をはじめアントラキノンなどを豊富に含む薬用植物であり、従って植物に普遍的に存在するカルコン合成酵素以外にも、複数のポリケタイド合成酵素の存在が予想される。そこでカルコン合成酵素との配列相同性に基づくPCR、及び、cDNAライブラリーのスクリーニングにより、これら生合成酵素遺伝子のクローニングに着手し、これまでにカルコン合成酵素とは50%程度の配列相同性しか示さない複数の新規クローンを得ることに成功した。組み換え酵素を大腸菌に異種発現し、その機能解析を行うことにより、このうち2つは、5分子あるいは7分子のマロニルCoAから、それぞれペンタケタイドとヘキサケタイドの骨格を構築する新規III型ポリケタイド合成酵素であることを明らかにした。また、部位特異的変異酵素を作成し、その活性を検討することにより、酵素活性の発現に重要な役割を演ずるアミノ酸残基を特定した。さらに、酵素の立体構造の解明をめざし、結晶化にも着手した。 一方、今回新たに長鎖脂肪酸COAエステルをカルコン合成酵素に作用させ、基質特異性を検討したところ、C_<14>脂肪酸エステルから2分子のマロニルCoAを縮合したトリケタイドラクトンの生成などが認められ、ウルシオール(C_<16>脂肪酸エステルに由来)を初めとする植物二次代謝産物の生合成においても、III型ポリケタイド合成酵素が関与する可能性が示された。を考える上で興味深い知見を得られつつある。
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Research Products
(5 results)