2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16510170
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山田 英俊 関西学院大学, 理工学部, 教授 (90200732)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
YANG Cao 関西学院大学, 理工学部, 研究員 (10368459)
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Keywords | 環反転 / エラジタンニン / 全合成研究 / 反転糖 / グリコシル化反応 |
Research Abstract |
環反転してアキシアル置換基がより多い配座になった糖を含む化合物の合成,及ひ環反転という現象を利用した合成研究を目的とした研究を行った.具体的には次の三点に要約できる. 1.myo-イノシトールの反転 各炭素に一つずつ水酸基を有するシクロヘキサン誘導体であるmyo-イノシトールに嵩高いシリル基を導入した場合の環配座変化を調査した.その結果から,糖で観測されてきた環反転が,シクロヘキサン環でも可能であることを初めて明らかにした. 2.反転糖を含む化合物の全合成研究 ^1C_4/Bエラジタンニン類の最初の全合成を目的に,コリラジンの全合成研究を行っている.コリラジンは3位と6位の水酸基を架橋したHHDP基の存在が特徴であり,糖が反転している原因にもなっている.この部分の構築法は従来知られていなかったが,ピラノース環を一度開いてビフェニル部分を構築し,ピラノース環をまき直すことで構築が可能となった.現在,本合成戦略にガロイル基を酸化的にカップリングさせる米国のFeldmannらが開発した方法を組み合わせ,^1C_4/Bエラジタンニン類の全合成を行っている. 3.環反転現象を利用した合成研究 反転した糖を供与体とすることで,高いβ選択性でグルコシル化反応が進行することを明らかにした.従来法ではβ選択性発現のため2位にアシル保護基を付ける.その位置に二つ目の糖を付けた反転二糖体でもβ選択的なグリコシル化反応が起きることを明らかにした.
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Research Products
(5 results)