2006 Fiscal Year Annual Research Report
クオラムセンシングに基づいた細菌の情報伝達を制御する方法に関する研究
Project/Area Number |
16510175
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Research Institution | Suntory Institute for Bioorganic Research |
Principal Investigator |
堀川 学 (財)サントリー生物有機科学研究所, 研究員 (70270569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舘田 一博 東邦大学, 医学部, 講師 (20236558)
石井 良和 東邦大学, 医学部, 助手 (90246695)
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Keywords | クオラムセンシング / 緑膿菌 / Autoinducer / ホモセリンラクトン / 分子プローブ / 自己誘導因子 / アポトーシス / テトラミン酸 |
Research Abstract |
本研究3年計画の3年目を実施し、以下の項目において研究の成果が得られた。 (1)これまでに、緑膿菌のクオラムセンシングを制御するAutoinducerのひとつであるN-3-oxo-dodecanoyl-L-homoserine lactone(3-oxo-C_<12>-HSL)の誘導体の合成を行い、弱いがクオラムセンシング阻害活性を示す誘導体をいくつか見出してきた。そこで、これまでに報告された阻害剤と比較するために本研究で構築したアッセイ法で既存の阻害剤を検証したところ、弱い阻害活性を示すのみであった。他のアッセイ法も試みたが大差なく、今後、アッセイ法をいくつか比較する必要がある。 (2)緑膿菌のAutoinducerである3-oxo-C_<12>-HSLのホスト細胞への直接的な作用として見出した、表皮細胞におけるIL-8産生誘導やマクロファージにおけるアポトーシス誘導と緑膿菌感染症の関係を明らかにすることを目的とし、これまでに、それらの作用を示す構造的な特徴を明らかにし、それぞれの作用における阻害剤を見出してきた。そこで、これらの阻害剤を緑膿菌感染モデルマウスに作用させ阻害剤の有無で比較したが、有効な差異は認められなかった。より高活性な阻害剤があれば比較検討することができるかもしれないが、今のところそのような阻害剤は得られていない。しかし、本実験の中で、3-oxo-C_<12>-HSLの代謝産物と考えられているテトラミン酸誘導体に顕著な抗菌作用があることを見出し、本化合物の作用機構について詳細に検討し、本化合物が病原菌の膜に作用して抗菌活性を示すことなどを明らかにした。
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Research Products
(1 results)