2004 Fiscal Year Annual Research Report
中華人民共和国のマスメディアの構造的変化についての研究
Project/Area Number |
16510183
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高井 潔司 北海道大学, 大学院・国際広報メディア研究科, 教授 (20312407)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 一幸 北海道大学, 言語文化部, 助教授 (50374632)
遊川 和郎 北海道大学, 言語文化部, 助教授 (40312409)
渡邉 浩平 北海道大学, 情報基盤センター, 助教授 (50333638)
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Keywords | 現代中国 / 文化体制改革 / 報道改革 / メディア / 世論 / 日中関係 / 新聞出版業 |
Research Abstract |
本研究の目的は、中国のマスメディアを、1、報道内容の変化、2、マスメディアの経営基盤の変化、の二つの視点から明らかにすることにある。平成16年度の作業は以下の通り。 (1)マスメディア統制の政策面(高井、諏訪、遊川、渡邉) (2)中国マスメディアの報道内容の変化(高井) (3)中国マスメディアの経済基盤の変化(渡邉) (4)中国マスメディアの経済報道(遊川) 上記の作業を、中国のマスメディア関連の参考文献、新聞などの資料を用いて、定期的に研究会を開催して討論を行い、平成16年9月には、北京、上海、成都、広州の各都市をまわり、中国のマスメディア研究者から情報収集をし、メディア関係者に対して取材をはかり、中国でまさに現在進行中である「党の指導」と「メディアの自立化」の動きを調査、分析した。 平成17年3月現段階の知見としては、江沢民政権から胡錦濤政権への移行に際して、報道改革の芽が現れたもののSARS禍終結後、報道管制はより強くなった側面が認められた。また、メディアの経営については、文化体制改革の進行と、WTO加盟による新聞出版業の対外開放にともない、メディアの機能を経営面と編集面にきり直し、経営面のみ民間資本の参入を促すという動きが進行中であり、メディア産業の改革は着実に進展していると言える。今後、経営面の制度改革が進行することにより、現在、中国共産党中央宣伝部によって管理されているメディアの編集面が、経営面における改革によっていかなる変化がもたらされるのか、引き続き仔細に見守る必要がある。
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Research Products
(11 results)