2005 Fiscal Year Annual Research Report
農・漁業地域における女性リーダーの育成と文化創出に関する社会学的研究(2)
Project/Area Number |
16510197
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
藤井 和佐 岡山大学, 文学部, 助教授 (90324954)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 都 奈良佐保短期大学, 顧問 (50225067)
小林 孝行 岡山大学, 文学部, 教授 (70112274)
|
Keywords | 農・漁業地域 / ジェンダー / 女性リーダー / 地域振興 / 女性史 / 海女組合 / 地域住民組織 / 人材育成 |
Research Abstract |
本年度は、公共性という視点から政策的動向が女性農業者のリーダーシップや女性地域リーダーの育成のあり方に及ぼす影響について仮説的に明らかにした。生活改良普及員の実質的廃止とともに、女性農業士制度が男性も含む指導農業士制度に統合されはじめ、女性のリーダー育成事業は転換点を迎えている。そして経済的自立という方向が重視されはじめ、女性起業および家族経営協定の締結が奨励されるという方向となっている。これらの動向を資料的・数字的にとらえるだけではなく、現場の女性たちの意識・価値観を具体的にとらえ歴史的文脈に位置づけることが次年度の課題である。 また、本年度行なった調査では以下の点が明らかとなった。1、農漁業における女性役割の変化を動態的にとらえるために女性史研究アプローチについて方法論的検討を行ない、戦後の沖縄女性の農漁業における労働の変遷について考察した。さらに志摩漁村の変動を史資料からおさえ、新しい女性リーダーの誕生のあり方をさぐった。(木村)2、岡山県の離島漁村の地域振興における女性リーダーの活動や高齢社会に対応した地域住民組織のあり方について聞き取り調査を行なった。行政主導の活動とそうではない場合の活動に対する住民の価値観に差異が認められた。(小林、藤井)3、長野県の小規模自治体では、男性中心の意思決定過程がいまだに健在である点および人材育成という視点の欠如がみられたが、他の長野県内の地域との差異が際だっていた。(藤井)4、山梨県のブドウ栽培地域における活性化のあり方として株式会社化という手法が有効であった。女性起業が奨励されているが、地域ぐるみの起業化を模索することの意義がみとめられた。(木村、藤井)5、岡山県の離島漁村の漁師をめぐる人間関係についてフィールドワークの手法で明らかにした。(研究協力者 大学院生中根)
|
Research Products
(3 results)