2004 Fiscal Year Annual Research Report
セクシュアリティに関わる危急対応と自立の要件-シェルターにおける分析を基礎に-
Project/Area Number |
16510198
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田中 弘子 愛媛大学, 教育学部, 教授 (30197462)
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Keywords | 行政にたいする牽引力 / 性買売の法改正 / 個々人がもつ資源 / 必要とする社会資源 / 養育・教育の要因 / 仕事・経済上の問題 |
Research Abstract |
1、シェルターG.を基礎に、(1)、1946〜54 (2)、1955〜64 (3)、1965〜1990s.のように区分し、(1)(2)の時期の資料の分析と文献資料の検討から、問題の論点を明らかにする。 現在、(2)の後半(詳細な検討)にとり組んでおり、これを5月初旬には完了し冊子論文にまとめる予定である。(1)および(2)の前半(大枠)の分析検討から次の事が言える。 ○シェルターG.は、ことに買売春問題への対応と実際のとり組みにおいて、行政・立法に先行しており、財政・運営面の特徴からも民間性が強いと言える。○女性団体を中心とするとり組みや運動は、「娼妾全廃」を掲げ、「女性の家」を創設・運営するなど、近代化を急ぐ行政の牽引力となった。逆に前述の存在は、行政の貧困を示し、女性や子どもの危機状況に対する視線・社会意識の未成熟が、彼女たちへの蔑称や、経済・健康状況の悪さに反映している。○敗戦直後の立法やいわゆる「売防法」制定、DV防止法など、行政から受け皿として委託・想定される事が矛盾とならずに、性買売の法改正が成し遂げられねばならない。 2、(1)(2)の資料にたいし、細部にわたる調査項目を設定し、人権やジェンダーの公正な視点から質的分析を行う。調査項目は、(1)個々の背景にある問題の類型と相互の関係 (2)個々人が主として背負っている問題 (3)個々人がもつ資源と、必要とする社会資源。さらに、それぞれに4個づつ細目を設定した。「産育」に関しては、後に独自な分析が必要である事が分かった。 ○(1)敗戦という事態ではあるが、養育・教育の要因が大きく75.37%。○仕事・経済上の問題が58.32%。 3、諸機関・相談員・当事者等宛の調査項目を構成し、主としてインタビューのパイロット調査を行った。
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Research Products
(4 results)