2006 Fiscal Year Annual Research Report
セクシュアリティに関わる危急対応と自立の要件-シェルターにおける分析を基礎に-
Project/Area Number |
16510198
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田中 弘子 愛媛大学, 教育学部, 教授 (30197462)
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Keywords | セクシュアリティ / 危急対応 / 自立支援 / シェルター / ジェンダー施策 |
Research Abstract |
1 「セクシュアリティに関わる女性と子どもの危急対応と自立支援」という視点から、敗戦後第3の時期(1965-1990s.)について、シェルターの資料の分析・検討から得られた問題点は次のようである。 (1)家族および養育・教育(虐待や不就学など)の問題が、危急に深く関わる。 (2)セクシュアリティに関わる意識の変革が、第3の時期(1965〜)を境に拡がりをみせた。とくに女性の間から、「性と生殖の健康/権利」の視点が重視されるようになった。 (3)自立の困難は、とくに健康、不就学などによる就職の困難、重複する問題等からくるものが多い。 2 非婚姻シングルマザーの漸増、'80からはDV脱出が急増した。彼女たちの危急対応と自立支援の問題点には、次の事項があげられる。 (1)自立と経済力(2)元パートナーとの問題解決など(3)住居、就職、子の養育・教育 3 買売春と人身買売は、一時的なものや外国人を多く含み多様だが、危急対応と自立支援に関し、多くの場合は次のような問題点があげられる。 (1)「性と生殖の健康/権利」の侵害(2)教育・就職の困難(3)被虐待(養育)・暴力をうけた環境 4 公的なジェンダー施策と、社会的、および身近な支援によって、また、個々のケースに最も適切な支援をうける機会が得られなければならない。そのために、当事者と支援者の関係をつくること、広範な協力を結び合う関係の成立などが必要である。自治体や民間によっては、すでにそのような関係づくりや問題解決にむけた実践が行われ始めている。台湾、中国の調査では、性の少数者の問題は、施策や一般の人々の意識から、まだまだ乖離している状況であった。台湾では'90年代末に少数者当事者(セクシュアルワーカー)による政府への要請があった。
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Research Products
(3 results)