2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16510203
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大山 七穂 東海大学, 文学部, 教授 (00213893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国広 陽子 武蔵大学, 社会学部, 教授 (10308017)
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Keywords | ジェンダー / 政治 / 女性議員 / 神奈川県 |
Research Abstract |
本研究の目的は、政治アリーナへの女性参画の推進、阻害要因と、政治家として成果をあげるための要件を、議員や議会、政党をとりまく組織、制度のジェンダー構造に着目して分析することにある。政治アリーナといっても広大な領域であるので、調査対象地域を神奈川県に限定し、中でも横浜市、大磯町の女性議員を中心に調査を進めた。 まず、過去3回の統一地方選を中心に、ここ10年ほどの神奈川県下における女性議員の変遷をまとめた。神奈川県は市町村議会における女性比率が全国のトップクラスであり、特に湘南から三浦半島にかけての市部は20%を越えるところが少なくない。それに比して町村部では女性議員比率は低かったが、その中で大磯町は2003年6月の選挙で女性議員50%となった。そこで、市部を代表する横浜市と、議員比率が男女半々の大磯町を中心に、インタビュー調査を実施した。また、高齢の議員が多く、横浜市や大磯町とは議会特性が大きく異なると思われた南足柄市の議員もインタビューに加えた。 インタビュー内容は、立候補までの経緯や選挙活動、地域の支援グループ・組織・政党との関係、当選後の議会活動などであり、実態をおさえた上で、議員自身の選挙の評価や、政治家としての意識、理念、そして当選後の成果などをたずねた。 各インタビューは記録にとり、テープ起こしをしてまとめている段階であるが、議会の規模や特性、党派性、そして地域特性が女性議員数と女性議員の活動に及ぼす影響が浮かびあがってきた。たとえば、党派性が議会活動、議員活動を大きく規定する横浜市では、党派内の性別イデオロギーと女性の位置づけが問題となる。小規模で会派もなく歳費も低い大磯町では、議員個々人の能力と特性、地域との関わりが大きく影響する。一方、議員の名誉職的意味合いが強かった南足柄市では、女性議員の参入、増加が逆に議会活動の変化を生み出している。
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