2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16510203
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大山 七穂 東海大学, 文学部, 教授 (00213893)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国広 陽子 武蔵大学, 社会学部, 教授 (10308017)
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Keywords | ジェンダー / 政治 / 女性議員 / 神奈川県 |
Research Abstract |
本研究の目的は、政治アリーナにおける女性の参画がなかなか進展しない要因と、政治家として活動する女性たちが期待される成果をあげることが困難な要因を、組織的・制度的ジェンダー構造の点から分析することにある。平成16年度は女性議員および関係者のインタビュー調査を行ったが、本年度はその結果を受けて、神奈川県下の市町村議会議員を対象に、アンケート調査を実施した。アンケート調査の目的自体は、議員になるプロセス、議員としてのプロダクトを明らかにし、そこにジェンダーの相違がどのように現れてくるかを探ることである。11月初旬に、神奈川県下の市町村議会議員のうち個人名と連絡先のわかった829名(うち女性167名、男性662名)にアンケート調査票を送付し、306名(女性70名、男性236名)から回答を得た(回収率369%)。その後、単純集計と性別クロス集計の結果をまとめ、簡単な報告書を作成した。 調査結果にみられる男女の主要な相違をまとめる。まず、議員になるまでであるが、概して男性の方が多様なプロセスを経て政治家になっていると言える。政治的社会化過程や立候補までの経緯、職業(前職)との関係、政党との関係、地域との関係など、男性議員においてばらつきが大きい。それに対して女性議員の方は、子どもや地域の活動を経て政治に関心をもち、政党や政治的団体と関わり、選挙に立候補するという過程が多くみられる。選挙活動は、地域の友人、知人や政党、政治団体の支援を受け、女性の方が熱心である。また、政治家となってからも、議会活動や地域住民にたいする活動は女性議員の方が熱心である。取り組みたい問題・領域にも男女差がみられる。「行財政」「まちづくり」は男性の関心が強く、「少子化・子育て」「男女共同参画」は相対的に女性の方が関心を寄せている。調査結果については、来年度さらに分析を進める予定である。
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