2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16510210
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
酒井 一博 財団法人労働科学研究所, 研究部, 研究主幹 (90072660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 智恵 財団法人労働科学研究所, 研究部, 研究員
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Keywords | ジェンダー / 両立支援 / 家族的責任 / 夜勤交代勤務 / 看護師 / 健康障害 / 夫婦面接調査 / 退職者面接調査 |
Research Abstract |
看護師を対象とした質問紙調査によると、夜勤交代勤務における労働環境のうち、上司のジェンダー観を背景とした上司とのコミュニケーションといった職場組織面と、交代制度とその人員配置、労働時間などの管理面の特徴などが、より強く仕事と家庭の両立困難と健康障害に影響することが予測できる結果を得ている。看護師の場合、直接の上司が師長であることが圧倒的に多いこともあって、子どもの急病や自身の急病に関する欠勤の申し出に対しては好意的な対応をしてもらえているとも応答が多かったが、子どもの学校参観などによる欠勤の申し出については、必ずしも好意的でないケースが少なからずみられる。また、上司の配慮として育児休業の取得に関する配慮(「全く配慮してくれない」が9.7%」)に比べ、残業免除(同23.7%)や、深夜勤や当直の免除(同31.5%)に関する配慮が上司から得にくいことが、両立困難な状況を生む背景要員となっている。夫とは妻(看護師)の両立へ良好な関係を築いているが、夫以外の支援者(両親ほか)が存在する場合に、両立成立の可能性が高くなっている。なお、看護師の健康観については、あまりよい状態とはいえない。とくに、「ストレスを感じた」「不安を感じ緊張した」「気が重く憂うつ」などの訴えが多くみられた。 こうした結果を踏まえ、看護師夫婦10組のヒアリング調査ならびに結婚や出産を機に退職した看護師10名を対象としたヒアリング調査を行うために、ボランティアの募集を行った。現在、準備が整い、ヒアリングを開始するところである。
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