2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16510210
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Research Institution | The Institute for Science of Labour |
Principal Investigator |
酒井 一博 (財)労働科学研究所, 研究部, 研究主幹 (90072660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小泉 智恵 国立精神・神経センター, 社会復帰相談部, 協力研究員 (50392478)
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Keywords | ジェンダー / 両立支援 / 家族的責任 / 夜勤交代勤務 / 看護師 / 健康障害 / 夫婦面接調査 / 退職者面接調査 |
Research Abstract |
夜勤交代勤務が夫婦の家族的責任の分配に及ぼす影響を明らかにすることによって、夜勤交代勤務と家庭生活の二重負担を具体的に軽減するような有効な両立支援対策を構築するために、本年度は、看護師を対象とした詳細なヒアリング調査を予定通りに実施した。調査では、2種類の半構造化面接を計画した。第1は夜勤交代勤務に従事し、かつ既婚の看護師を対象に、その夫婦10組について、夫婦別々に、看護の勤務生活と家庭生活の両立を明らかにするような半構造化面接を実施した。もう1種類は、結婚あるいは出産を機に(別の理由も含まれたが)退職した看護師10名を対象に、看護の勤務生活と家庭生活の両立に関して、同様に半構造化面接を実施した。また、当初は退職看護師を対象とした多数例のアンケート調査を行う予定であったが、対象者の選任が難しかったので、現役看護師を対象としたアンケート調査に切り替え、実施した。 ヒアリング調査とアンケート調査の結果の整理をすすめるとともに、夜勤交代勤務に従事している(していた)妻側の職場におけるジェンダー問題のタイプ(管理的=主に上司のジェンダーに関する考え方、制度的=主に両立支援制度の普及度合い、職場組織的=主に夜勤交代勤務の編成方式と弾力的運用の可能性)によって、看護師(自分)自身と、夫の仕事と家庭のスピルオーバーにどんな影響を与えているか、さらに夫との関係の中でジェンダー問題にどのように影響を与え、家族的責任をどのように分配させているか。ヒアリング結果から仮説パターンをつくり、アンケート調査への適用方針を作成した。この運用方針の妥当性を検証しながら、両立支援に有効な方策の検討をすすめた。
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