2004 Fiscal Year Annual Research Report
公民科教育と倫理学研究とのアーティキュレーション(福祉と人権の教育を軸として)
Project/Area Number |
16520002
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川本 隆史 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40137758)
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Keywords | 公民科教育 / 倫理学研究 / アーティキュレーション(接続・連携) / 福祉教育 / 人権教育 / 平和教育 |
Research Abstract |
教育の危機と改革が叫ばれて久しい。そこで論じられている数多くのホットな争点のうち、高等教育機関における研究活動に深く関連するものに、初等・中等教育と大学教育との《接続》がある。この問題への社会的関心を喚起したのが、中央教育審議会答申『初等中等教育と高等教育との接続の改善について』(平成11年12月16日付け)である。これと連動するかたちで申請者は、所属する日本倫理学会の大会において二年連続(平成13年および14年)のワークショップ「公民科教育と倫理学研究の《つなぎ目》」を企画・運営してきた。本研究のねらいは、中教審答申の以前から取り組まれてきた教育と研究の接続の試みを《公民科教育と倫理学研究とのアーティキュレーション》(すなわち、二つの活動の「分節化・接続・連携」)という観点から吟味し、福祉と人権をどう教えるかを軸に教育と研究のあるべき協力関係を探り当てようとするところにある。 研究初年度にあたる本年度は、代表者が研究機関を異動したことにともない、研究態勢の整備に主力を注がざるをえなかった。幸い教育学部・教育学研究科という本研究を推進するのに絶好の環境を与えられたため、関連分野の研究者との交流や情報交換を理想的に始めることができた。また昨年11月よりスタートした人文・社会科学振興のためプロジェクトと研究事業「グローバル化時代における市民性の教育」(日本学術振興会)に企画段階から関与し、そのサブグループ(公共倫理の教育)の世話人を務めている。本研究とも深い関連性を有するプロジェクトであり、二回のワークショップを通じて研究の土俵が大いに広がった。 昨年7月には広島平和研究所主催の国際シンポジウムで「記憶のケアと記憶の共有」という報告を行い、そこでは平和教育と倫理学研究の連携を心がけた。関連文献および雑誌記事の収集、謝金を用いたその整理・分類も順調に進められた。 以上のような実績を積み重ねることで、次年度以降の研究の基礎固めができたと考える。
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Research Products
(5 results)