2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヘブライ的存在・ハーヤー論を基盤とした「アウシュヴィッツ以後」の新倫理学の構築
Project/Area Number |
16520008
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮本 久雄 東京大学, 大学院・総合文科研究科, 教授 (50157682)
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Keywords | アウシュヴィッツ以降 / ハヤトロギア / エイコーン / たましい / 苦悩と和解 / 苦悩 / 東アジア / 和解 |
Research Abstract |
平成17年度は「異文化交流と宗教間対話の可能性」を主要テーマとして,そこから「アウシュヴィッツ以降」の哲学・倫理学的状況をふまえ新倫理学の構築を推進した。第1に,東方キリスト教学院・学会との交流を進め,その学会誌『エイコーン』の出版を機にシンポジウム,論文発表をなした。特に「エイコーン」に関するシンポジウムで,エイコーン的人間論からする人間共生の倫理の地平が拓かれた。第2に,ヘブライ的存在論から人間論的考究を深め,人類的問題の書『ヨブ記』の研究を深め,苦悩・苦難の問題を現代的状況を背景に考察し,研究成果が刊行された。本年度は特にアジア的共生の視点を深めるべく,京都フォーラムのシンポジウムを契機として,宮沢賢治論や石牟礼道子の「たましい」論が深められ刊行された。また本研究者は,ソウルの西江大学において,アジアの苦悩と和解のテーマで,「ヨブ記」論,ヘブライ的存在論(ハヤトロギア)から成る人間論を講じ,また研究者との交流を深め,新倫理学の東アジア的性格を探究しえた。以上の研究・活動は,韓国でも認められ,哲学・倫理の根本的基盤である文学領域において韓国のイチョンジュン氏などとの文化的交流も深め得,本年度は実り豊かとなった。
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Research Products
(5 results)