2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520019
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中山 康雄 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (60237477)
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Keywords | 志向性のモデル / 社会的規範 / 言語行為 / アナロジー / 形式語用論 / 素朴心理学 / 共同体存続 / 哲学的時間論 |
Research Abstract |
本年度は、主に学会発表を通じて、志向性と言語に関する基礎的研究と志向性と社会の関係についての理論的研究を行った。 6月には、人工知能学会主催の国際ワークショップLENLS2005に参加し、「Focus,Presupposition, and Propositional Attitude」と題した英語の口頭発表を行い、形式語用論におけるフォーカスと志向性の関係についての新解釈を提案した。この論文は、論文集に収められた。同じく6月に、科学基礎論学会講演会におき、「規範の論理的規定」と題した単独発表と、研究協力者の安本英奈氏との共同発表「ハーバマスの普遍語用論の検討」を行い、志向性のモデルと社会的規範の関係性に関する基礎研究の成果を公表した。さらに7月には、日本認知科学会大会において、「素朴心理学の新モデルの提案」と題した単独ポスター発表と、安本氏との共同のポスター発表「発語内的効果間の論理的関係」と、研究協力者の伊藤彰雄氏との共同のポスター発表「アナロジーのプロトタイプ解釈」を行い、心のモデルと推論と言語行為の問題について分析した。また、8月には、オーストリアで開催された第28回ヴィトゲンシュタイン・シンポジウムに参加し、「A Logical Analysis of A Series and B Series」と題した哲学的時間論の問題に関する英語の口頭発表を行った。そして、10月には、関西哲学会のシンポジウム「共同体の崩壊と再生」の提題者の一人として「共同体存続の条件」と題した集団的志向性と共同体存続の条件に関する口頭発表を行った。この発表原稿は、平成18年発行の関西哲学会学術誌『アルケー』に論文として掲載される予定である。12月には、日本科学哲学会大会におき、「信念内容の個別化と言葉の意味」という題の口頭発表を行い志向性の内容に関する心の哲学と言語哲学の接点についての考察を提案した。そして、平成18年3月には、T.Siderの『Four-dimensionalism』という分析的形而上学の書物に関する関東方面の若手研究者3人との勉強会を開催し、「志向性と存在論の関り」というテーマについて意見交換する予定である。
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Research Products
(9 results)