2005 Fiscal Year Annual Research Report
人間学的特殊教育学の哲学的および倫理学的基礎付けの試み
Project/Area Number |
16520029
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Research Institution | Osaka Sangyo University |
Principal Investigator |
山田 全紀 大阪産業大学, 教養部, 教授 (60132271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷田 信一 大阪産業大学, 教養部, 教授 (20257885)
山田 有希子 宇都宮大学, 教育学部, 助教授 (90344910)
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Keywords | 特殊教育 / 特別支援 / 人間学 / 生命倫理 / 医療倫理 / 障害 |
Research Abstract |
特殊教育から特別支援教育へのラディカルな政策的転換が計られている現状にあって、「障害」の意味を人間学的に問い直そうとするわれわれの研究は、17年度より分担研究員として山田有希子(宇都宮大学教育学部助教授、哲学、生命倫理)を加え、研究面のみならず組織面においても充実化を図った。これによって、特に海外共同研究協力者であるM・タールハマー氏(M.Thalhammer 元ヴュルツブルク大学教授、特殊教育学)との連絡交渉も密になり、昨年は実際に同氏を招聘することができ(11月11日-23日)、念願の公開講演会(11月19日、大阪産業大学)と研究交流会(11月20日-21日、宇都宮大学)とを実現することができた。講演会はテーマを「望まれる児〔健常児〕、障害児〔望まれぬ児〕、遺伝計画」(Wunsch-Kind, Behindertes Kind, Genetisches Design)として、特に大阪産業大学の教職志望学生のうち来年度教育実習予定者を対象にして行われた。近年ドイツにおいては障害者(特にダウン症の児)の数が減っているという現状をいかに考えるべきかという問いかけを含んだ講演は、教育現場に身を置こうとする学生たちに強い衝撃を与えた。また、これに続く研究交流会では、T.シュラムメ「生命倫理」(T.Schramme ; Bioethik, Campus Verl.)を題材にした討論が行われた。このようにして、氏の来日によって、昨年のわれわれの研究は、「障害と生命倫理」に焦点を集める結果になった。その準備として隔月開催の定例研究会では、B・イルガング著『医の倫理』(飛田就一、河村克俊、山田全紀ほか共訳、昭和堂)、桑子敏雄編著『いのちの倫理学』(佐々木能章、山田有希子ほか共著、コロナ社)等を継続的に取り上げてきた。これと並行して、分担研究員・谷田信一は、共訳書・ウド・ベンツェンヘーファー編『医療倫理の挑戦』(飛田就一監修、富士書店、4月)を刊行した。
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Research Products
(3 results)