2005 Fiscal Year Annual Research Report
洋務世代知識人における西洋体験と文明観の転換に関する研究
Project/Area Number |
16520033
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Research Institution | Fukushima University |
Principal Investigator |
手代木 有児 福島大学, 経済経営学類, 教授 (20207468)
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Keywords | 洋務運動 / 西洋体験 / 文明観 / 中国文明 / 西洋文明 / 〓福成 / 鐘天緯 |
Research Abstract |
本研究は、清末における伝統的文明観から中西文明を異質と見なす新たな文明観への転換を、薛福成(1838-94)と鍾天緯(1840-1901)とうい二人の洋務世代知識人に注目して明らかにしようとするものである。 昨年度においては、〓福成について計画した資料収集とその閲読を終え、論文「洋務世代知識人における西洋体験と文明観の変動」(400字×250枚予定)の序論と〓福成論部分の草稿をほぼ書き上げていた。17年度においてはほぼ実施計画通りに研究をすすめ、前半においては(1)鍾天緯の著作、翻訳等のうち未収集資料の収集・閲読、(2)鍾天緯関係の周辺資料、研究論文等資料の収集・閲読、(3)清末西洋人宣教師の中西文明比較論関係資料の収集・閲読にほぼめどをつけることができた。また並行して各種学会、研究会に参加する中で本研究に関る広範な研究状況の情報を収集した。本年度後半は、そうした作業をふまえて論文「洋務世代知識人における西洋体験と文明観の転換」の序説と第1章「〓福成の文明観」(400字×150枚)を完成させた。またそれと並行して本研究の全体像を含む研究代表者の10年来の研究の整理と理論化の試みとして論文「清末中西文明観の形成」(400字×55枚。中嶋隆蔵教授退休記念論文集掲載予定)を執筆し完成させた。さらに上海の華東師範大学歴史系の招聘を受け3月末に本研究をふまえた講義(対象は大学院学生、120分×2回)および研究報告(対象は上海の中国近代史、中国近代思想史研究者)と討論を行い、今後本研究を進める上での貴重な刺激を受けることができた。
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Research Products
(3 results)