2006 Fiscal Year Annual Research Report
古インドアーリヤ語動詞研究-全活用形・派生語形の検証と一覧表の作成-
Project/Area Number |
16520043
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
後藤 敏文 東北大学, 大学院文学研究科, 教授 (40215497)
|
Keywords | インドアーリア語 / 動詞 / ヴェーダ / サンスクリット / インド / 印欧語比較言語学 / インドイラン文献学 / 活用 |
Research Abstract |
最古の『リグヴェーダ』(前1200年頃)から古典サンスクリットに至る「古インドアーリヤ語」に現れる動詞語形を,重要語根について収集し,各語形を原典に基づいて検証の上,語形一覧に注記を付して発表することを目的とした。3年間でできる限りの数の動詞を扱うべく目指した。 資料(ファイル16冊分)の整理点検,最近の研究書,論文の収集点検と並行して,比較的規模の大きい重要な動詞数個について,活用語形と派生形の一覧を作成した。原稿の完成には専門知識をもつ若手研究者の援助を仰いだ。最終的には10程度の動詞についての成果を報告書として提出できる見込みである。 当初世界サンスクリット会議(7月,エディンバラ)において成果の一部を発表する予定であったが,時間の都合がつかず見合わせた。そのかわり,ドイツの大手出版社より『リグヴェーダ』ドイツ語全訳の依頼があり,9月にFrankfurtに招待されたのを機に,幾人かの研究者と会合を持つことができ,有意義であった。本研究課題の遂行中に得た成果と個々の注記とは『リグヴェーダ』翻訳研究にも活かされる。 標記動詞研究のいわば副産物として,動詞スィンタクス上の一問題を印度学仏教学会(9月大正大学)で発表し論文にした。懸案の構文について最終的な解決が与えられものと信ずる。本年中にドイツ語でも発表する予定である 研究計画中に出版までは果たせなかったので,今後,原稿の状態にある資料を随時出版してゆきたい。
|
Research Products
(2 results)