2005 Fiscal Year Annual Research Report
沖縄における死者慣行の変容と「本土化」-那覇市周辺地域における実態調査
Project/Area Number |
16520056
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Research Institution | Taisho University |
Principal Investigator |
鷲見 定信 大正大学, 文学部, 助教授 (40096003)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 興匡 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 助手 (40292742)
山田 潤治 大正大学, 文学部, 専任講師 (20338594)
武田 道生 大正大学, 文学部, 非常勤講師 (30407639)
佐藤 壮広 大正大学, 文学部, 非常勤講師 (90385964)
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Keywords | 沖縄 / 本土化 / 先祖 / 霊園 / 仏教寺院 / 葬祭業 / 戦没者 / ユタ |
Research Abstract |
本研究は、「本土化」をキーワードとして、近年の沖縄県、特に都市化や産業化の進む那覇市周辺における死者慣行の実態と変容を捉え、その意味を明らかにすることを目的としている。本年度は以下の3点について明らかにするため、3回の現地調査を実施した。 (1)仏教寺院に対する聞取り調査 古い歴史を持つ伝統寺院、本土復帰後に布教を開始した新しい寺院、民間巫者的活動も行なう寺院など、性格の異なる寺院を選び、合計9ヶ寺に対して、住職の経歴、活動の実態などを聞取調査した。また寺院の信徒(2ヶ寺合計8人)に対して、経歴、寺院と関わるようになった経緯、現在の関わり方などの聞取調査を行った。 (2)葬祭業者・墓地業者・霊園に関する調査 沖縄本島で展開する葬祭業者、墓地業者、霊園に対して、各業者の沖縄での歴史と展開、葬祭の変化に関する聞取調査を行った。また、沖縄県庁、那覇市役所、中部保健所の墓地施設担当者に対して、墓地の現状に関する聞取調査を行った。併せて関係資料の収集にあたった。 (3)戦没者慰霊に関する調査 沖縄全戦没者追悼式への参与観察を行うとともに、追悼式への参列者、遺族会、沖縄県平和祈念資料館館長への聞取り調査を実施した。また、北中城村での戦没者慰霊祭の調査を実施した。関係資料の収集もあわせて行った。 (4)祖先祭祀儀礼の変容に関する実態調査 伝統的な先祖供養が近年大きく変容していることを受け、その実態を明らかにするべく「グソウ(後生)の正月」における儀礼の観察と「旧盆」における墓参者への聞き取り調査を行った。 また収集した聞取調査結果をはじめとする各種データを検討し情報と研究視角の共有と深化を図るべく、計10回の研究会を実施した。なお、これらの成果の一部である仏教寺院の歴史と展開に関する内容については、学会での口頭発表、および論文の発表をおこなっている。
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Research Products
(5 results)