日本における霊籤の受容と展開に関する思想史的研究

2004 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 16520068
• Research Institution: Aichi Prefectural University
• Principal Investigator: 大野 出 愛知県立大学, 文学部・国文学科, 助教授 (60247418)
• Keywords: おみくじ / 霊籤 / 元三大師 / 占い / 人相 / 御籤本(みくじ本) / 大雑書 / 安倍晴明

Research Abstract

本年度の研究実績の一つとして『江戸の占い』(河出書房新社刊)を発行した。同書は研究代表者のこれまでの研究の成果の一部を広く発信すべく著わしたものである。内容の概略を示すならば、序に続き、第1章「安倍晴明の占い」、第2章「夢占い」、第3章「人相による占い」、第4章「江戸時代のおみくじ」、第5章「おみくじの深奥」、そして結語、あとがきという構成になっている。全体を通して、江戸時代にどのような占いがあったのかということを網羅的に紹介することを目的として著わしたものではなく、用いられていた占いから、その社会や、その時代の空気とでもいうべきものを読み解くことを目的としている。特に第4章「江戸時代のおみくじ」、第5章「おみくじの深奥」は当該研究「日本における霊籤の受容と展開に関する思想史的研究」の中核となる部分でもある。いずれも、これまでの日本における霊籤の受容に関する先行研究では、明らかにされてこなかったことに対する考察であり、特に神社における仏占という問題、おみくじの起源が町人層ではなく、武家社会だったのではないかという仮説は、これまでの先行研究では全く触れられることのなかったことである。また、あとがきでは今後の研究の展開を示した。

Research Products

• [Book] 江戸の占い (2004)
  • Author(s): 大野 出
  • Total Pages: 262
  • Publisher: 河出書房新社
  • Description: 「研究成果報告書概要(和文)」より