2005 Fiscal Year Annual Research Report
聖遺物顕示とそのカタログについての美術史的観点からの包括的研究
Project/Area Number |
16520074
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
秋山 聰 東京学芸大学, 教育学部, 助教授 (50293113)
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Keywords | 聖遺物崇敬 / 聖遺物容器 / 聖遺物展観 / 聖遺物顕示 / 聖遺物書 / カタログ / 展示 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度から引き続いての聖遺物展観および関連図像、印刷物等についての文献・画像資料の収集およびそれらの調査研究を行なうとともに、9月にドイツとイタリアにおける調査研究を行なった。聖遺物顕示についての調査は、とりわけヴィッテンベルク、ハッレ、ニュルンベルクについては一層進展し、個々の聖遺物カタログの詳細な分析を進めた。またアーヘン等三巡礼地に関する聖遺物版画についても調査が進展し、その成果の一部を紀要論文に発表した。同論文では、聖遺物展観関連印刷物における同版画の特殊性を浮かび上がらせた。9月10、11日には、京都大学のCOEによる国際シンポジウム「イメージと解釈」に招かれ、これまでの成果の一部を発表するとともに、パネル・ディスカッションに参加した。その際の発表は英文での公刊が予定されている。9月中下旬の海外調査においては、ハッレ、ヴィッテンベルク、ヴィーンにおける聖遺物顕示の実際を現地調査するとともに、関連史料の収集に努めたが、現地での調査は文献調査によって浮かび上がっていた疑問点の多くを解決することが出来た。またドイツにおける聖遺物顕示の範例となったとも思われるローマにおける聖遺物崇敬についても、現地における調査を行ない、ドイツの事例との比較対照のための画像・文献史料の収集にも努めた。年度後半においては、とりわけハッレにおける聖遺物展観と関連図像史料の分析を行ない、その成果を雑誌論文としてまとめた。同論文においては、ハッレの聖遺物展観を初めとするアルブレヒト・フォン・ブランデンブルクによる美術振興を対抗宗教改革と人文主義が融合した特異なものと位置づけた。なお並行して各地の聖遺物カタログのデータ化および翻訳作業を継続して行なった。
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Research Products
(2 results)