2007 Fiscal Year Annual Research Report
聖遺物顕示とそのカタログについての美術史的観点からの包括的研究
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16520074
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
秋山 聰 The University of Tokyo, 大学院・人文社会系研究科, 准教授 (50293113)
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Keywords | 美術史 / 聖遺物 / カタログ / 展示 |
Research Abstract |
今年度は、研究期間最終年度にあたり、これまでに収集された聖遺物展観関連の図像および文献史料の整理、取りまとめに精力を注ぐとともに、11月1日から9日にかけて、主としてミュンヘン、バイエルン州立図書館とニュルンベルク、ゲルマン国立博物館において、調査研究を行った。調査の主たる対象は、ニュルンベルク、バンベルク、ヴィッテンベルク、ウィーンの聖遺物書であり、とりわけ前二者の異本間の校合に重点を置いた。またニュルンベルクにおいては、聖遺物展観の実地検証を、マドリッドにおいては神聖ローマ帝国およびハプスブルク家の聖遺物コレクションの近世以後の展開についての調査を行なった。今年度はこれまでの研究成果を盛り込んだ研究発表を行なう機会にも恵まれ、9月8日には英国、イースト・アングリア大学における国際シンポジウム『World Art: Ways forward』に招かれ、「Comparative Art History in Japan: the Present and the Future」と題した発表を、11月23日に国立民族博物館において開館30周年記念フォーラム「文化資源という思想:21世紀の知、文化、社会」のシンポジウムに招かれ、「聖遺物と「美術」:相関性と類似性」と題した発表を、12月15日には東京大学大学院人文社会系研究科グローバルCOE主催の公開国際シンポジウム「聖遺物とイメージの相関性-東西比較の試み」において「聖遺物とイメージの相関性」と題した発表を、本研究による成果を適宜盛り込みながら行なった。また11月の渡欧調査の成果を元に、バンベルク聖遺物書についての同書テクストの訳を付した論考を『美術史論叢』に発表した。年度末には、成果報告書への掲載のために、今回の研究期間中に調査しえた聖遺物カタログの歴史的展開についての概要をまとめるとともに、各聖遺物カタログのテクストの訳の作成に取り組んだ。
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Research Products
(4 results)