2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520082
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
後小路 雅弘 九州大学, 大学院・人文科学研究院, 教授 (50359931)
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Keywords | シンガポール / マレーシア / アジアのキュビスム / ベトナム近代絵画展 / 1960年代 |
Research Abstract |
本研究は、東南アジアの近代美術が、とりわけ1960年〜1980年の西欧モダニズムの本格的な受容の時期に、どのようにモダニズムを受容したのかを、具体的な作品を通して、検証、考察することを目的としている。その時期は、東南アジア各国が独立を果たし、国民国家が形成されていく時期でもあり、その中で、国民文化としての美術が求められたが、他方、国際的な抽象美術運動を背景に、モダニズムの持つ視覚言語の自律性と普遍性を追求することが時代の要請でもあった。そうした相反する方向のなかで、東南アジアの美術家たちが、国際的な普遍性とローカルな固有性のはざまでどのような制作活動を行い、どのような作品をその成果として生み出していったのかを明らかにすることが主要な課題である。 本年度の具体的な研究成果は、以下の通り。 1.シンガポールの1960年〜80年に活躍した作家とその作品について現地調査を行い、現存作家・遺族へのインタビューをし、作品撮影を行い、同時代の資料を収集した。 (1)シンガポール美術館、NUS美術館(シンガポール大学)、何博士(Dr Ho Kok Hoe)コレクションなどの作品を調査。 (2)Lee Boon Wang, Chua Mia Teeふたりの60年代を代表する作家のアトリエを尋ね、インタビューした。60年代、70年代の美術動向について把握した。 2.マレーシアの1960年〜80年に活躍した作家とその作品について現地調査を行い、現存作家・遺族へのインタビューをし、作品損影を行い、同時代の資料を収集した。 (1)クアラルンプール国立美術館、ペナンUSM大学美術館、バレンタイン・ウィリー・ファインアートのコレクションを調査 (2)Long Thien Shie, Chong Kam Kaw, Ahmad Jamal, Redza Piyadasa, Sulaiman Esaなど60年代の主要な作家にインタビユー。60年代、70年代の美術動向について把握した。 3.「アジアのキュビスム」「ベトナム近代絵画展」ふたつの展覧会の企画構成、図録作成に関わり、展覧会を実見し、アジアにおけるキュビスムの有りようを通してモダニズム受容を考え、ベトナム近代美術の歩みをたどることで、シンガポール・マレーシア両国のモダニズム受容と比較することができた。
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Research Products
(3 results)