2004 Fiscal Year Annual Research Report
中世小説の発生と展開、影響についての研究-本文と挿絵の両面-
Project/Area Number |
16520108
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
勝俣 隆 長崎大学, 教育学部, 教授 (70141934)
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Keywords | 中世小説 / 御伽草子 / 室町物語 / 本文 / 挿絵 / 絵巻 / 奈良絵本 / 物語 |
Research Abstract |
平成16年度は、次の研究を行った。第一に、調査研究旅費を使っての全国の大学・図書館・美術館等を巡っての中世小説に関する伝本調査と撮影並びに関連の資料収集である。主な調査先は、仙台市立博物館、東京国立博物館、国立国会図書館、慶應義塾大学、西宮市岩瀬文庫、京都国立博物館等である。他にも、展覧会等で、いくつかの伝本を観察する機会があった。その中で、仙台市博物館では、『七夕』(折本)の閲覧・調査・撮影を行い、許可を得て、長崎大学教育学部紀要にカラーの挿絵を付けて前文を翻刻し、解題を付すことが出来た。また、東京国立博物館でも、以前から閲覧を希望していた「天稚彦草紙」(巻子本)を閲覧・撮影できた。これらの調査で、「あめわかみこ」七夕系の調査が進展した。他にも、個人蔵の中世小説閲覧の便宜を得た。こうした調査で得られた資料を電子的に保存するために、新規にパソコンを購入した。また、8月に京都の思文閣で開かれた「奈良絵本・絵巻国際会議」に参加し、貴重な伝本の展示を観ることが出来、奈良絵本・絵巻に関する最新の研究成果を拝聴し得るところがあった。全国の研究者とも交流を持てた。さらに、12月に名古屋大学で開かれた「お伽草子と奈良絵本:その文化史的意義」の講座に参加し、シンポジウムのパネラーとして、小松和彦氏・中野真麻理氏と共に、徳田和夫氏の司会で、『十二類絵巻』について、報告し、質問に答え、議論した。『十二類絵巻』の主題や意義、登場する動物の意味などに関する分析が主であったが、非常に有意義な体験であり、本研究にとって得るところがとても大きかった。また、設備備品費で、中世小説関係図書として、奈良絵本・絵巻関係のものを16点ほど購入した。絵巻関係のものが少なかったので、その方面の研究に役立てることが出来るようになった。その他、写真の現像・焼付等を複写費で行った。
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Research Products
(4 results)