2005 Fiscal Year Annual Research Report
金星堂を中心とする大正・昭和期の出版書肆と文学に関する総合的研究
Project/Area Number |
16520118
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
宗像 和重 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (90157727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
十重田 裕一 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (40237053)
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Keywords | 日本近代文学 / 出版社 / 活字メディア / 金星堂 / 新感覚派 / 横光利一 / 福岡益雄 |
Research Abstract |
本研究は、出版書肆金星堂を中心として、大正・昭和期の出版と文学の動向を総合的に把握しようとする試みである。本年度はその2年目にあたる。研究組織は昨年度と同様で、宗像和重(研究代表者)、十重田裕一(研究分担者)のほか、研究協力者として加藤邦彦(梅光学院大学専任講師)、山本亮介(日本学術振興会特別研究員)両氏の参加・協力を得た。 本年度はまず、昨年度に引き続き、金星堂の出版物についての基礎的データを蓄積するために、それぞれが図書館や古書店等を通して、確認と収集の作業に従事した。金星堂の場合には、まだ出版目録が整備されていない現状なので、その確認と整理を昨年度に引き続き最優先の課題として位置づけた。 と同時に、それらを通して、今後どのような研究のテーマと方向が可能であるかを検討するために、2005年8月には打ち合わせをかねた研究報告会を開き、「金星堂の雑誌について」(十重田)、「当時の詩および詩壇との関わりについて」(加藤)、「叢書・雑誌と編集者飯田豊二について」(山本)、「『読売新聞』にみる金星堂の軌跡」(宗像)などの報告をおこなった。大正から昭和期にかけての文学動向を検討する上で、金星堂の果たした役割の大きさを、あらためて確認することができた。なお、今年度は研究協力者を含めた全体的な打ち合わせはこの一回であったが、メーリングリストを設けることで、随時相互の情報を交換できる体制をとった。 また、こうした研究の進展を相互に確認するとともに、その一端を社会に還元するために、ホームページ(http://katokuni.s57.xrea.com/kinseido/index.html)を開設して、研究の概要を掲げた。ここには現在、叢書・全集・雑誌等の発行出版年分布や広告類で確認されている出版物のリストなどを掲げている。これらを踏まえて、来年度の研究のとりまとめにあたりたい。
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