2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520121
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokai Women's Junior College |
Principal Investigator |
木戸 久二子 東海女子短期大学, 児童教育学科, 准教授 (20269624)
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Keywords | 国文学 / 美学 / 美術史 |
Research Abstract |
平成18年度は、斎宮歴史博物館所蔵文学関係資料のうち、斎宮歴史博物館では主に『源氏物語』関係資料の調査と研究を行った。また、アイルランド・ダブリンのチェスタービーティ図書館に『伊勢物語』関係資料の調査に出かけた。 閲覧・調査のために斎宮歴史博物館を訪問し、物品費により購入したデジタル・カメラで『源氏物語』閲覧資料のすべての部分を撮影した。その後、同じく物品費により購入したパーソナル・コンピュータに画像を取り込み、挿絵がどの場面の絵なのか、また源氏絵の流れの中でどういう位置に位置付けられる資料なのかを調査中である。 斎宮歴史博物館所蔵の「伊勢物語絵巻」3巻は、伊勢物語絵の場面の選択や構図の定型化・固定化が顕著である江戸時代の制作にかかるが、その枠に収まらない特異な絵巻である。とはいえ、絵のすべてが独自性を有するものとも考えがたいので、他の伊勢物語絵との比較検討が必要である。挿絵を有する章段にチェスタービーティ図書館蔵「大型絵入本伊勢物語」(アイルランド・ダブリン)との共通点を見出せるので、同図書館へ出張し、同資料をはじめとする伊勢物語絵関係資料すべてを閲覧、調査した。その研究成果については、今夏8月にカナダ・バンクーバーで開催される伊勢物語シンポジウムで発表予定である。 また、平成18年6月24日には、国際基督教大学で開かれたThe Tenth Asian Studies Conference Japanで、ラウンドテーブル「The Future of Basic Textual Research in Classical Japanese Literature」の一つとして今での研究成果を交えた研究発表を行った。
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