2006 Fiscal Year Annual Research Report
古筆切をはじめとする散佚歌集関連資料の総合的調査・研究
Project/Area Number |
16520126
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
久保木 秀夫 国文学研究資料館, 文学資源研究系, 助手 (50311163)
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Keywords | 古筆切 / 古典籍 / 散佚歌集 / 和歌文学 |
Research Abstract |
本年度までの研究において、伝宗尊親王筆『如意宝集』(平安中期の散佚私撰集)の新出断簡一葉、及び伝慈円/藤原為家筆『源氏集』断簡(散侠巣守巻の和歌を伝える)、鶴見大学図書館蔵「源氏物語系図巣守三位本」(巣守巻の従来知られていなかった粗筋・登場人物を伝える)などの資料的価値を確認し得たので、<11.研究発表>欄のとおりに論文化した。 一方、北野天満宮蔵の未詳歌書類、内藤記念くすり博物館大同薬室文庫蔵の古筆資料、林原美術館蔵の池田光政筆「古筆臨模聚成」四巻、蓬左文庫蔵の書籍目録類、愛知教育大学附属図書館蔵『六花抄注』、天理大学附属天理図書館蔵の未詳歌書類、東北大学附属図書館狩野文庫蔵の書籍目録類、神宮文庫蔵の未詳歌書類、などについて実地に閲覧し、古筆切や古典籍の書誌・内容・所在調査を行った。その結果、例えば北野天満宮からは新出系統の可能性がある『雅世集』などを、大同薬室文庫からは鎌倉写の未詳詩歌合断簡などを、林原美術館からは伝後醍醐天皇筆『新浜木綿集』の新出断簡(の模写資料)などを、天理図書館からは『勅撰次第』や『深窓秘抄』の新出伝本などを、狩野文庫からは『本朝書籍目録』の重要伝本などを、神宮文庫からは学界未知の『厳宝准后集』残欠本などを、それぞれ見出すことができた。いずれも散佚歌集の研究や稀覯本文の研究に大いに役立つ資料である。 また、昨年度公開を開始した「古筆切所収情報データベース」の管理運用も継続している。昨年度同様、月200〜300件程度の利用がある。本年度も新規データの入力・点検を行ったので、近日中に追加予定である。
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Research Products
(2 results)