2006 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ演劇を中心とした現代表象文化の変容に関する研究
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16520136
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Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
谷川 道子 東京外国語大学, 外国語学部・総合文化講座, 教授 (50038501)
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Keywords | ドイツ / 現代演劇 / イエリネク / ハイナー・ミュラー / ブレヒト / ドイツ戯曲選30 / 表象文化論 / 文化政策 |
Research Abstract |
2005年度の「日本におけるドイツ年」企画のひとつだった『ドイツ現代戯曲選30』シリーズ-基本的に5人の編集委員が分担して各2名ずつ査読する体制をとったために力と時間をとられ、さらに宣伝や広報作業を重ねた末に、ついに順次刊行開始となった。06年3月までに9冊を刊行。拙訳のノーベル賞受賞作家E.イエリネクの『汝、気にすることなかれ』やハイナー・ミュラーの『指令』も含めて、すべて解題つきで07年3月までに27冊が刊行。2007年中には全30冊が刊行され、完結したらまた、シンポやリーディングにトーク、宣伝などに奔走することになろうが、大仕事だった。 昨年度に行なったシンポや講座のいくつかもパンフや雑誌、報告書にまとめられて刊行され、夏にはベルリーナー・アンサンブルでの「ブレヒト没後50年祭」を訪問。朝日の依頼記事を含め、シアタークリティック・ナウ06のシンポ「都市と演劇-東京vsベルリン」や、「総合文化研究」誌10号特集への寄稿「トランジット・ベルリン-<東>と<西>のトポロジー」などの論考に結実。 「ブレヒトとベンヤミンをめぐる断章」や「<ピナ・バウシュのタンツテアター>の歴史的な位相」などの論考も『KAWADE道の手帖』や「シアターアーツ」などに掲載。母校の甲南高校の百周年記念講演によばれての「大学・ドイツ・演劇」もブックレットになり、その他に、書評や劇評の類もけっこうたくさん寄稿して、演劇実践現場にも貢献。 他に、新刊ではないが、2002年に同学社から刊行の『ポストドラマ演劇』や30年前に河出書房新社から共訳で出した『ブレヒト:作業日誌』全4巻が再刊されることになって、とくに後者は殆んど訳し直しのような膨大な作業を経て、2007年度に全2巻の形で出版される。昨今の出版事情のなかでこういう地味な仕事が再刊されるのは、翻訳に携わったものとして嬉しい限りである。 以上、2006年度も十分な実績を残したと思う。
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Research Products
(7 results)