2005 Fiscal Year Annual Research Report
ドイツ世紀転換用における「文化」とBurgerlichkeitの言説
Project/Area Number |
16520148
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金子 元臣 大阪大学, 言語文化研究科, 教授 (10081605)
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Keywords | ドイツ世紀転換期 / 文化 / 市民性 / 生の哲学 / ニーチェ / トーマス・マン / 言説 |
Research Abstract |
世紀転換期の「文化」形成の問題を、同時期における「知」の複合状況による「知の変動」現象から解明しようという本研究は、「言説」と「現実形成」の関係を考察することになるため、なによりも文献の調査、収集と分析、解読が中心的課題となる。従って本年度も昨年度と同様、多方面の資料収集、資料蓄積を継続すると同時に、収集された資料の解読、分析、整理を行った。 1)本年度は、海外での資料収集と蓄積のため、主としてベルリン、ワイマールにおける「市民性」「文化」に関するドイツでの資料の収集のため、ドイツの国立図書館、現地ドイツバウハウス運動関係の幾つかの博物館、図書館、資料館を訪問し知見を深めるとともに、合わせて資料の収集を行った。 2)ドイツでの資料収集では、「市民性」が国家建設の中心的「文化」概念として形成されていく過程を具体的に追跡するため、ヴィエルヘルム帝政の新聞資料、雑誌資料を閲覧し同時代の様々な文化運動、とりわけ「生」に関わる「言説」形成を中心に調査し、関連資料を収集した。 3)国内では北海道大学へ出張し、同大学で収集されているハプスブルク帝国関係資料の閲覧をし、資料を蓄積すると同時に、同大学同僚研究者との意見交換、研究懇談を行った。 4)世紀転換期における「生」概念と「文化」言説との重なりを「市民性」という枠組みとの関連で追跡するため、昨年に引き続いて特にNietzsche,Diltheyの著作を読み込み、分析整理した。同時に彼らの知的成果と、世紀転換期の幾つかの「文化」運動との関連に関する知識の整理を行った。 この他、東京出張を通じ国会図書館での資料の精査、同僚研究者との意見交換、資料の貸与をうけた。このようにして得られた本年度の成果の一部は、本学の「言語文化研究科共同研究プロジェクト」の本年度企画「文化の解読(6)」において文章化する予定である。
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Research Products
(1 results)