2005 Fiscal Year Annual Research Report
バイオレント・ウーマン:アメリカ文化における女と暴力
Project/Area Number |
16520166
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
辻本 庸子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (70217313)
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Keywords | アメリカ文学 / アメリカ文化 / 女性 / 暴力 / 大衆文化 |
Research Abstract |
平成17年度においては、カナダの女性作家マーガレット・アト ウッドの『エイリアス・グレイス』についての論文を神戸外大論叢に上梓した。殺人罪に問われた女主人公の暴力性について考察したものである。続いて8月にアメリカのエルマイラ大学において行われた第5回マーク・トウェイン学会において、"White-Washed Icon : Mark Twain and Gender"と題して発表を行い、トウェインの描いた女性像の新しさを論じた。発表をする機会を与えられただけでなく、多くの海外の学者たちとも意見を交換できたのは有意義であった。またこの折りに、ニューヨークや南部諸都市を訪れ、女性たちの活動や作品を数多く生で体験できたことも大変刺激となった。 さらに『二十世紀アメリカ文学を学ぶ人のために』(世界思想社、2006年度出版予定)において、女性文学の章を担当し、論考を執筆した。フラナリー・オコーナーの作品を中心に考察を行い、二十世紀アメリカの女性文学において、暴力がテーマとして、また手段として重要であることを指摘した。これまで十九世紀あるいは二十世紀初頭の作品を中心に研究をすすめてきたので、この仕事を通し二十世紀後半のアメリカ文学にも視野を広めることができたことは、これからの研究にも大きな意味を持つと思う。 3月には香港に行き、香港大学の女性学の専門家M.ハー教授と意見を交換したことも意義深かった。これからも定期的に意見交換をしていきたいと考えている。
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Research Products
(3 results)