2006 Fiscal Year Annual Research Report
バイオレント・ウーマン:アメリカ文化における女と暴力
Project/Area Number |
16520166
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Research Institution | Kobe City University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
辻本 庸子 神戸市外国語大学, 外国語学部, 教授 (70217313)
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Keywords | 女 / 銃 / 暴力 / アメリカ文学 / アメリカ文化 |
Research Abstract |
2006年度は、原稿の執筆に追われた1年だった。その中でも一番大きな収穫は『20世紀アメリカ文学を学ぶ人のために』(2006)において、女性の文学の章を担当し、そこでアメリカ文学における「女性と暴力」について概観をまとめることができたことである。ページ数の加減であまり詳細に述べることはできなかったが、アメリカ女性作家の書いた小説において、とりわけ20世紀においては、「暴力」が重要なキーワードであるという私の主旨は強調できたと思う。後は枠を19世紀にも広げ、さらにもう少し論の肉付けをすることが必要であろう。 また女性と銃が小説でどのように描かれているかということも、『神話のスパイラルーアメリカ文学と銃』(2007)にまとめることができた。1930年の作品が中心であるが、これも女性と暴力を考える時、一つの示唆を与えてくれるだろう。 夏休みにアメリカへ行く予定であったが、家人の病気の為、予定を変更。また予定していた海外での発表も、予定の延期で行うことができなかった。そのかわりに2006年度12月にフィラデルフィアで行われたMLAに出席した。私の関心のあるアトウッドのセッションで討議できたのが有意義であった。また3月には香港にいき、香港大学のHa教授と意見交換をし、また香港文学フェスティヴァルに参加できた。中国を代表する女性作家たちの抱負や、問題点など、いろいろ生の声を聞くことができたことは、女性作家のあり方を考える上で貴重な経験だった。
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Research Products
(5 results)