2006 Fiscal Year Annual Research Report
エリザベス朝戯曲古版本を中心とした分析書誌学的研究
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16520169
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| Research Institution | Keio University |
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Principal Investigator |
英 知明 慶應義塾大学, 商学部, 教授 (60218518)
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| Keywords | シェイクスピア / 書誌学 / 印刷 / 出版 |
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| Research Abstract |
昨年度に引き続き、16世紀末のロンドンの印刷業者Thomas Creedeが印刷したThe Famou Victories of Henry Vを、分析書誌学の見地から調査・研究を行った。先行研究を精査し、作者の間題や作品出版に至る経緯や印刷所と出版業者との間の関係、印刷に使用された原稿の性質、印刷工程、特徴的な植字スタイルやスペリングの違いなどから推測できる植字工の人数など、本文研究及び書誌学の観点からの議論を進めた。
それと並行して、同時代の同じような印刷業者John Danter印刷所についても、その活動と実績についての歴史的事実の解明を試みた。この中で、シェイクスピアを含むエリザベス朝の劇作家の台本が、いかなる経緯を経て印刷・出版されたかを、Danter印刷所を例に挙げて、彼の経歴と印刷・出版物を例に挙げ、親方職人になるまでの過程やエージェントと呼ばれるべき人物の登場、当時のロンドンの印刷・出版業界にうごめく人々の舞台裏などについて詳述した。特にロンドンの印刷業界の内部事情とそれを生業とする人々の行動、この世界を縦横に動き回る人物たちの世俗のドラマ、また違法行為や人脈を生かして仕事を得ようとする影の営業活動や特殊な下請け仕事など、印刷に携わる人々の仕事と日々の暮らしの一側面を探求した。これにより、当時のロンドンの印刷業界内部の様子や、さまざまな書物出版のアイデア、徒弟や植字工、エージェントと呼ばれる新種の職人、特定の同業仲間との親密な関係を通じ、シェイクスピアや他の劇作家の作品を世に送り出した一人の親方印刷業者Danterと彼の印刷所の実相が明らかになった。
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Research Products
(1 results)
