2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520171
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Research Institution | Kokushikan University |
Principal Investigator |
松本 昇 Kokushikan University, 政経学部, 教授 (00165903)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小倉 いずみ 大東文化大学, 法学部, 教授 (00185563)
高橋 勤 九州大学, 言語文化研究院, 准教授 (10216731)
君塚 淳一 茨城大学, 教育学部, 教授 (60259588)
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Keywords | ジョン・ブラウ / ジョン・ブラウンの歌 / 南北戦争 / ヘンリー・ソロー / 奴隷制 / 暴力 / 非暴力 / 奴隷解放運動 |
Research Abstract |
2007年5月13日、九州アメリカ文学会年次大会(於、九州大学)で、「ジョン・ブラウンの屍を越えて-南北戦争とその時代」というタイトルで行った。本シンポジウムでは、特に「逃亡奴隷法」(1850年の妥協)以降、北部と南部の緊張が高まった時代を考慮に入れつつ、ジョン・ブラウンの足跡をたどり、アメリカ北部の作家との交流と思想的な交錯をとおして、ブラウンが神話的な人物に祀り挙げられた経緯について考察した。 先ず高橋勤が、1840年から50年代における北部の奴隷解思想を解説し、ジョン・ブラウンの足取りをたどりつつ、ニューイングランドの作家との交流について説明した。特に高橋は、カンザスにおけるブラウンのポトワミーの虐殺を知りながら、非暴力主義を標榜したヘンリー・ソローが、なぜブラウンを弁明し、賛美したのかについての革新的な問題に迫った。 次に小倉いずみが、エマソンの講演と『日記』を手がかりにして、1851年と1854年の二つの「逃亡奴隷法」の講演、1850年代のボストンの政治、ハーバード大学の奴隷制への態度、ジョン・ブラウンとエマソンの関係、エマソンとリンカーンとの出会いなどを検討し、エマソンとは奴隷制の関わりについて検証した。 松本昇は、「ジョン・ブラウンの屍を越えて」という大衆歌がどのようなきっかけで歌われ、歌に込められた意味がどのような変化を遂げたのかを、ロバート・ウィリス・アレンの『マーチング・オン』を手がかりにして探った。最後に君塚淳一が、コメンテーターとしてシンポジウムの総括をすると共に、ジョン・ブラウンのメロディとして、日本にも導入されていることを言及した。
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Research Products
(2 results)