2006 Fiscal Year Annual Research Report
アメリカにおけるアジア系移民の社会と文化の変遷-アジア系アメリカ文学を通して-
Project/Area Number |
16520194
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
野崎 京子 京都産業大学, 文化学部, 教授 (90121540)
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Keywords | アジア系移民 / 日系強制収容所 / 歴史遺産 / 証言者 / ベトキュー / ベトナム戦争 / エスニックコミュニティ / 公文書館 |
Research Abstract |
平成18年度の申請書に記述した本年の研究実施計画は、ほぼ予定どおりに達成された。 6月、「移民学会」(名古屋)講演のため来日し2週間近くを京都に滞在した日系三世心理学博士で2005年の全米ドキュメンタリー映画受賞作品"From A Silk Cocoon"を監督したDr.Satsuki Inaを3回インタビューした。 7月、日系強制収容所Tule Lakeで、独立記念日の週末にかけて行われる巡礼のイベントに参加した。今年は閉鎖後60周年、アメリカ政府によってHeritage「歴史遺産」と承認された。参加者の殆どが筆者と同様、収容体験者かその家族で、高齢な体験者ならではの話は歴史の証言者として貴重なものがあった。メールなどにより今もオーラルヒストリー的資料を提供してもらっている。 8月末Freedom of Information 「情報公開法」によりアメリカ国立公文書館に要請していた谷川(筆者旧姓)一家の収容所、並びに抑留所記録を入手した。この膨大な資料を解読することに多くの時間を割きながら、また新たな研究方向を見いだした。 9月アジア系アメリカ学会の韓国代表Dr.Shinの講演の司会議長を務めた。 平成19年2月、ベトキューのルーツであるベトナム社会主義共和国へ出張し、ベトナム系アメリカ人やベトナム系カナダ人が、ベトナム語そして文学や文化に自らのエスニックアイデンティティを模索していることを確認した。 又、研究成果としての著書(「強制収容と文化変容-日系二世・三世の日本とアメリカ」)の原稿は2月末に脱稿、4月末出版をめどに編集中である。
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Research Products
(1 results)