2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16520211
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
根ヶ山 徹 山口大学, 大学院・東アジア研究科, 助教授 (20218267)
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Keywords | 中国近世戯曲演劇史 / 『牡丹亭還魂記』 / 湯顕祖 / 版本校合 / 明刻本 / 清刻本 / 曲譜 |
Research Abstract |
昨年度は、現存する『牡丹亭還魂記』の版本のうち、万暦45年(1617)石林居士刻本(中国国家図書館)・万暦間刻本(中国国家図書館)・明末朱元鎮校刻本(京都大学文学部・大谷大学図書館・大阪府立中之島図書館)・万暦間文林閣刻本(京都大学文学部・台湾故宮博物院図書文献処)・泰昌元年(1620)呉興閔氏朱墨套印本(国立公文書館内閣文庫・中国国家図書館)を調査し、最古の版本と断定できる石林居士刻本を底本として入力し、前年度は万暦間刻本・明末朱元鎮校刻本・万暦間文林閣刻本・呉興閔氏朱墨套印本との校合を終えたところである。今年度は、天啓5年(1625)梁台卿刻詞壇双艶本(中国国家図書館)・崇禎間蒲水斎校刻本(中国国家図書館・哈仏大学哈仏燕京図書館)・天啓間柳浪館刻本(台湾国家図書館)・天啓3年(1623)清暉閣批点本(京都大学文学部・中国国家図書館)・明末張弘毅著壇刻本(国立公文書館内閣文庫・哈仏大学哈仏燕京図書館)・崇禎9年(1636)独深居点定本(国立公文書館内閣文庫)・崇禎間毛氏汲古閣刻本(中国国家図書館)を調査し、入力・校合を終えることができた。その結果、梁台卿刻詞壇双艶本・蒲水斎校刻本の2種は、原初の形態を保つ版本である石林居士刻本と、沈〓の曲譜に基づいて改訂が施された文林閣刻本・呉興閔氏朱墨套印本を折衷した内容であること、更に柳浪館刻本・清暉閣批点本・張弘毅著壇刻本・独深居点定本・毛氏汲古閣刻本は後世に定本として伝えられる内容にまで整備された版本であることが明らかになった。 引き続き、康煕間刊「呉呉山三婦合評本」・雍正間刊「芥子園刻本」・乾隆50年(1785)刊「氷糸館刻本」といった清刻本、乾隆57年(1792)刊の葉堂『牡丹亭全譜』・乾隆54年(1789)刊の馮起鳳『牡丹亭曲譜』といった曲譜との校合は新年度の課題としたい。
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